宇佐神宮(大分県宇佐市)の臨時奉幣祭(りんじほうべいさい)は勅使祭とも呼ばれる、10年に一度斎行される祭典であり勅祭。前回は平成26年(2015年)10月6日に行われたため、10年後の2025年に実施される予定。画像は宇佐神宮による臨時奉幣祭の説明(出典:宇佐神宮公式サイト)。

宇佐神宮の臨時奉幣祭は、養老4年(720年)、大隅・日向の隼人平定に元正天皇が派遣したのが始まり。時まさに日本書紀成立の年。古事記成立後7年のこと。大正14年(1925年)から現在の10年に一度の勅使派遣となり、前回の平成27年10月のものが256回目となっていた。

[平成27年10月の時の模様]
平成27年(2015年)は10月6日(火) 午前10時30分より斎行された。勅祭斎行に当り、前日10月5日(月)には勅使御奉迎の打上花火や提灯行列が行われ、翌当日は奉納行事や野点(お茶席)などの神賑が催された。また勅使が渡る「呉橋」が、5日・6日の両日に一般開放された。

10月3日(土)午後1時から境内で小笠原流 蟇目の儀・百々手式を奉納
10月4日(日)午後4時30分から参道で戸畑祇園大山笠を奉納
10月5日(月)提灯行列。午後7時から八幡駐車場内テントにて受付開始
10月5日(月)午後8時10分頃から花火打ち上げ
10月6日(火)午前10時30分から臨時奉幣祭(勅使斎館御進発)
10月6日(火)午後0時40分から境内で豊前大富神社感応楽を奉納
10月6日(火)午前と午後に黒男神社前特設会場にて神楽奉納

当日の野点は表千家が絵馬堂で午前8時30分から午前10時までと午後1時から午後4時まで、裏千家が黒男神社横で午後1時から午後4時まで、参拝客は無料。

[平成17年10月の時の模様]
平成17年10月は、前日の5日夜、氏子ら約2500人が「ちょうちん行列」を実施。この日に同神宮入りした勅使を歓迎した。

翌6日の当日午前10時20分ごろ、神職と勅使の行列が、天皇陛下からの五色の絹などの御幣物とともに境内の勅使斎館を出発。祓所でおはらいを受けた後、石段を上り、上宮に向かった。

本殿前に到着すると、一之御殿から三之御殿の扉が開かれ、御幣物が勅使から宮司側へと渡され、一之御殿から順に納められた。勅使が天皇陛下からの御祭文を読み上げ、宮司側が御祭文を受け取って各殿に披露。最後に一之御殿に納めた。

勅使と宮司が「合拍手(あわせはくしゅ)」と呼ばれる独特の作法で、御幣物と御祭文を納めたことを確認。勅使、宮司代務者、参列者代表が玉ぐしをささげて拝礼した後、各殿の扉が閉じられ、神事は終わった。

境内の絵馬堂では野だてがあり、特設舞台では神楽や大正琴、津軽三味線、日舞などが奉納された。また呉橋(県指定有形文化財)も一般開放された。

九州の勅祭社はこの宇佐神宮と香椎宮(福岡県・福岡市)のみ。香椎宮もやはり10年に一度の臨時奉幣祭を行い、およそ宇佐神宮の直後に行われる。
宇佐神宮の臨時奉幣祭 - 10年に1度の勅使参向による勅祭、平成27年が256回目に
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