・刊行:1992/6
・著者:久保田穣
・出版:大和書房
・『古代史における論理と空想―邪馬台国のことなど』をアマゾンで購入
国際関係、知的財産権関係を専門とする弁護士の著者が、〈邪馬台国について〉〈倭の五王の比定について〉〈初期天皇非実在説に関連して〉など、法律家の視点から検証する日本古代史。
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・【邪馬台国論争】今までの研究・論争まとめ - 九州説 - 大分県
管理人了
邪馬台国を大分県に比定しているが、よく見られる宇佐ではなく、大分市としている。放射説を採りながらも、魏使は末盧国→伊都国→邪馬台国へと進み至ったとし、その他の国々については実際の見聞ではないとする。
投馬国については、四国の西岸の可能性を指摘しつつも、それに固執しているわけではない。
同じ弁護士で、邪馬台国を大分県宇佐市に比定している久保泉を強く意識している。
邪馬台国のものを含むほかの論考については、特別なものとして感じられなかったが、「歴史における事実とは何か―初期天皇非実在説に関連して」は説得力があった。ただし、弁護士だから分かる、というような切り口だが、普通の感覚で資料に接すれば、ある意味では誰にでもそのような結論に達する類のもの。
しかしながら、弁護士としての立場からの論究により、説得力は増しているし、欠史八代や複数王朝説、神武・数仁同一人物説など、日本書紀と古事記がほぼ同じようなことを伝えており、そこに特段の矛盾もなく、またそれ以外の伝承などでも同じようなことを示唆しているという点で、何も無理やりこねくり回して新説を出す必要性を認めない、という、極めて納得感のある論考になっている。
・著者:久保田穣
・出版:大和書房
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国際関係、知的財産権関係を専門とする弁護士の著者が、〈邪馬台国について〉〈倭の五王の比定について〉〈初期天皇非実在説に関連して〉など、法律家の視点から検証する日本古代史。
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邪馬台国を大分県に比定しているが、よく見られる宇佐ではなく、大分市としている。放射説を採りながらも、魏使は末盧国→伊都国→邪馬台国へと進み至ったとし、その他の国々については実際の見聞ではないとする。
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同じ弁護士で、邪馬台国を大分県宇佐市に比定している久保泉を強く意識している。
邪馬台国のものを含むほかの論考については、特別なものとして感じられなかったが、「歴史における事実とは何か―初期天皇非実在説に関連して」は説得力があった。ただし、弁護士だから分かる、というような切り口だが、普通の感覚で資料に接すれば、ある意味では誰にでもそのような結論に達する類のもの。
しかしながら、弁護士としての立場からの論究により、説得力は増しているし、欠史八代や複数王朝説、神武・数仁同一人物説など、日本書紀と古事記がほぼ同じようなことを伝えており、そこに特段の矛盾もなく、またそれ以外の伝承などでも同じようなことを示唆しているという点で、何も無理やりこねくり回して新説を出す必要性を認めない、という、極めて納得感のある論考になっている。
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