QED 伊勢の曙光 (講談社文庫)
・刊行:2014/1/15
・著者:高田崇史
・出版:講談社

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伊勢の鄙(ひな)びた村から秘宝の鮑(あわび)真珠を持参していた神職が、不審な墜落死を遂げる。事件解決へ協力を頼まれた桑原崇(くらばらたかし)は、棚旗奈々とともに伊勢へ。しかし、二人を待ち受けていたのはシリーズ中最大の危機だった。

果たして崇は、事件の真相と、日本史上最大の深秘(じんぴ)「伊勢神宮の謎」を解けるのか?

QEDシリーズ完結編。タタルと奈々との関係は?

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管理人了
伊勢の神宮にだけ関する本だとサルタヒコが、サルタヒコにだけ関する本だと伊勢の神宮が、若干の関連性が指摘される程度にとどまって、直接つなげようという発想が希薄なのに対して、本書はかなり直接的にリンクさせている点で、色々と勉強になった。

現在に至るまで、全国各地、これだけ丁重に祀られているサルタヒコは、古代日本の大怨霊の一柱(おそらくオオクニヌシに匹敵する)で間違いなく、それが古事記にも伊勢で死んだ(殺された)と明記されている以上、伊勢の神宮と関係がないわけがない。その視点で斎宮も考えられるべき。

外宮→内宮の参拝ルートは有名だが、さらに正式は二見興玉神社(サルタヒコ殺害現場の近く?)から、とも指摘があった。少し調べてみる必要はあるが、伊勢の神宮はサルタヒコを封じ込める装置的な意味合いが強いのではないかと考えていた自説の補強につながりそう。

あとは本作でも触れられているニギハヤヒとのつながり。

結論としては完全に同意はできないものの、日本最大の謎へのアプローチ方法など、大変参考になった。