「宗像・沖ノ島と関連遺産群」公式サイト
「宗像・沖ノ島と関連遺産群」(福岡県宗像市、福津市)の2017年の世界文化遺産登録を目指している福岡県の小川洋知事などが2015年2月20日、首相官邸で菅義偉官房長官と面会し、同遺産群を国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦するよう要望しました。西日本新聞が報じています。画像は「宗像・沖ノ島と関連遺産群」公式サイトより。

今回の要望書はインターネットで公開されています(PDF)。

下記は、「宗像・沖ノ島と関連遺産群」からの紹介抜粋。

沖ノ島は、九州本土から60キロ離れた玄界灘の真ん中にあります。周囲に他の島がなく、航海の目印として、嵐に遭った時の避難場所として、この海域の航海に従事していた人々にとってなくてはならない島でした。そのため、沖ノ島は遥かな古代より現在に至るまで島そのものが信仰の対象です。

4世紀後半から対外交流が活発になると、交流の成就と航海の安全を祈って沖ノ島で大規模な祭祀が行われるようになりました。発掘調査によって22ヶ所の祭祀遺跡が確認され、祭祀形態が四段階の変遷を辿ることが判明しました。

さらに、祭祀で捧げられた奉献品の質の高さと量の多さから、国家が関与した祭祀=「国家的祭祀」と評価されています。交流によってもたらされた奉献品も多数見つかっており、出土した8万点に及ぶ奉献品はすべて国宝に指定されています。

島全体が宗像大社の境内(沖津宮)であり、宗像三女神のうち田心姫神(たごりひめのかみ)が祀られています。現在も続く厳格な禁忌のため一般の人の立ち入りは原則禁止されています。

以上、沖ノ島(宗像大社沖津宮)のほか、構成資産は下記の通りです。

・沖津宮遙拝所
・宗像大社中津宮
・宗像大社辺津宮
新原・奴山古墳群

宗像大社と言えば、宗像三女神、かのスサノヲの娘たちであり、古事記ゆかりの神々で、現在では日本全国で様々な形で祀られ、崇敬されています。すでに世界遺産となっている厳島神社(広島県・廿日市市)が有名です。

・沖津宮:田心姫神(タキリビメ
・中津宮:湍津姫神(タギツヒメ
・辺津宮:市杵島姫神(イチキシマヒメ

さらに言えば、天孫ニニギは彼女らの甥っ子(彼女らの兄弟に、ニニギの父アメノオシホミミがいる)にあたります。皇室とも縁がない訳ではない神々。

古事記どんぴしゃりの世界遺産を目指す史跡としては、大阪の「百舌鳥・古市古墳群」もありますが、2017年度の世界遺産選考、目が離せません。

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