都々古別神社の御田植(つつこわけじんじゃのおたうえ)
種別1:民俗芸能
種別2:田楽
公開日:毎年旧暦1月6日
指定日:2004.02.06(平成16.02.06)
都道府県:福島県
所在地:都都古別神社(東白川郡棚倉町大字八槻)

都々古別神社の御田植は、豊作を願って、年の初めに神楽などとともに、稲作の作業過程を、せりふのやりとりと簡単な所作で、模擬的に演じるものである。

福島県棚倉町は、福島県の南部に位置し、茨城県、栃木県との県境にあたる。三県の県境が接する八溝山から流れ出た久慈川は、棚倉町を東北に向かって流れ、その後、大きく南に向きを変え、八槻地区から隣町の塙町などを経て茨城県に入り太平洋に達している。

八槻地区は、棚倉町の南部、久慈川沿いにあって、町への入口にあたる。その地区にある八槻都々古別神社の拝殿で、毎年旧暦1月6日に御田植が演じられている。

御田植の各演目は、宮司の呼びかけに応じて楽人が立ちあがって舞う。最初に、奥州の山々の雪も消え、ヒバリがさえずるようになったので御田植にとりかかることに致しますという趣旨を宮司が呼びかけると、楽人が「さようにごありますか」と答えて、神楽の三番が順番に舞われる。

次のせき検分は、呼びかけに応じて二人の楽人が、餅鍬を担いで拝殿を回りながら「昨年はたいした大水もなく、そちもないように思われますが…」などと言いながら堰を確認する様子を演じる。

天孤の舞は、白い狐の面を着け、肩に鍬を担いだ舞手が、四方を耕したりして舞うもので、この狐は稲荷の神と考えられている。

最後に楽人が全員で「中飯、中飯」と言いながら、三方にのせた切餅を参詣人に向かって盛大に投げ配って御田植が終わる。

保護団体名:八槻都々古別神社御田植保存会
重要無形民俗文化財「都々古別神社の御田植」 - 稲作過程を疑似的に演じる、福島
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