杉沢比山(すぎさわひやま)
種別1:民俗芸能
種別2:神楽
公開日:毎年8月6日、8月15日、8月20日
指定日:1978.05.22(昭和53.05.22)
都道府県:山形県
所在地:熊野神社(飽海郡遊佐町杉沢)

山形県飽海郡遊佐町杉沢に鎮座する熊野神社の祭礼を中心として演じられる山伏神楽系の一種である。毎年8月6日が「仕組(しくみ)」、8月15日が「本舞(ほんまい)」、8月20日が「神送り(かみおくり)」、それぞれに演じられる。

東北地方の山岳部に近いところでは、かつて山伏修験の徒によって演じられていた神楽が伝えられてきており、この神楽を太平洋側では山伏神楽と呼び、日本海側では番楽と称しているが、鳥海山麓に伝承されているものはヒヤマと名付けられている。

杉沢比山の比山という名は、鳥海山に由来するものらしく、鳥海山が火山であるところからヒヤマと呼んだとか、あるいは、月山に対して鳥海山を日山といったところから出たとする諸説がある。

いずれにせよ、鳥海山を霊山とした山伏修験の徒によって伝えられてきた芸能である。

熊野神社の境内にかけられた三方吹きぬけの舞台で演じられ、大太鼓・笛・銅拍子を囃子に、謡につれて舞う。演目には「番楽」「みかぐら」「翁」「三番叟」「景政」「蕨折」など十四番がある。

その芸態には能楽大成前のいろいろな芸能の要素を含んでおり、芸能史上きわめて注目すべきものの一つである。

保護団体名:杉沢比山保存会
重要無形民俗文化財「杉沢比山」 - 能楽大成前のいろいろな要素を含む神楽、山形県
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