国宝「海部氏系図」を伝えるもう一つのアマテラスの系譜、元伊勢の一つ
[住所]京都府宮津市字大垣430
[電話]0772-27-0006

籠神社(このじんじゃ)は、京都府宮津市にある神社。元伊勢の一社であり、「元伊勢籠神社」とも称する。参拝すれば、御朱印を頂ける。

『延喜式神名帳』にある「篭神社(丹後国・与謝郡)」に比定される式内社(名神大社・月次新嘗)。山陰道において、唯一の月次新嘗の奉幣を受けた名社である。

歴史的な一宮としての丹後国一宮で、近代社格は国幣中社。現在は神社本庁の別表神社「全国一の宮会」に加盟している。

国宝『籠名神社祝部氏係図』『籠名神宮祝部丹波国造海部直等氏之本記』、いわゆる「海部氏系図」で有名であり、現在まで海部氏が神職を担当している。

なおこの系図には、『古事記』でも活躍する難波根子建振熊命が、始祖から数えて第19世健振熊宿祢として登場する。

当社の主祭神は彦火明命(ひこほあかりのみこと)。天火明命、天照御魂神、天照国照彦火明命、饒速日命ともいうとする。海部氏の祖神。

天火明命は、邇邇芸命の兄であり、やはり同じく天孫。『古事記』には尾張国造の祖とある。

相殿神として、豊受大神天照大神、海神(わたつみのかみ=綿津見神三神<底津綿津見神中津綿津見神上津綿津見神>、海部氏の氏神)、天水分神(あめのみくまりのかみ)。

社伝によれば、豊受大神は、神代は「真名井原」の地(現在の奥宮・真名井神社)に鎮座したという。

その地は「匏宮(よさのみや、与佐宮・吉佐宮・与謝宮)」と呼ばれ、天照大神が4年間営んだ元伊勢の「吉佐宮」にあたるという。

白鳳11年(671年)彦火明命から26代目の海部伍佰道(いほじ)が、祭神が籠に乗って雪の中に現れたという伝承に基づいて社名を「籠宮(このみや)」と改め、彦火火出見尊(おほり)を祀ったという。

養老3年(719年)、真名井原から現在地に遷座し、27代海部愛志(えし)が主祭神を海部氏祖の彦火明命に改め、豊受・天照両神を相殿に祀り天水分神も合わせ祀ったと伝える。

一説に、廃絶あるいは不明とされている丹後国総社について、当社がその機能を有していたとみる向きもある。また、出宮、つまり境外摂社として、江之姫神社がある。

海上自衛隊の護衛艦「まつゆき」、護衛艦「あぶくま」の艦内神社に分祀しているという。「まつゆき」の艦内神社は厳島神社も、「あぶくま」の艦内神社は竹駒神社も、それぞれ勧請しているという。

「あぶくま」に関して、日本海軍の軽巡洋艦「阿武隈」の艦内神社は白河鹿嶋神社を勧請していた。

当社は臼田甚五郎監修『日本神社一00選』に「日本神社100選」として、また、進藤彦興『詩でたどる日本神社百選』に掲載されている。

天橋立神社、当社、真名井神社の三社を巡る天橋立三社参りがある。

【ご利益】
家内安全、子孫長福、諸業繁栄、開運厄除、病気平癒ほか(公式HP
籠神社 京都府宮津市大垣
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『日本の神社全国版(81) 2015年 9/1 号 [雑誌]』 - 「日本創世神話の地・天橋立」籠神社
京都府の別表神社 | 別表神社とは? - 神社本庁に属する神社の現代版官国幣社
京都府の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、京都府に鎮座している神社の一覧
籠神社の御朱印
まつゆき - Wikipedia
あぶくま - Wikipedia