・所在地:奈良県天理市櫟本町2525
・経緯度:北緯34度62分22.93秒 東経135度83分64.90秒

・時 期:4世紀初頭
・時 代:古墳時代前期
・形 状:前方後円墳
・特 徴:-
・指 定:-

【概要】
東大寺山古墳群に属する、古墳時代前期中葉、4世紀後半頃に築造された前方後円墳。副葬品の中に、24文字を金象嵌で表し、「中平」(中国・後漢の年号。184年 - 189年の期間と推定される)の紀年銘を持つ鉄刀が検出された。

天理市和邇(わに)から櫟本(いちのもと)にかけては、和邇氏族の拠点であり、関連一族が築造したと推定される古墳が平野部との比高差約70メートルの丘陵上に点在。本古墳もその一つ。

全長は推定140メートル。墳丘には円筒埴輪を巡らす。後円部の埋葬施設の主体部は、墳丘主軸に平行する木棺を覆った粘土槨があり、長さ推定9.4メートルと大規模なもの。主要部分は盗掘を受けていた。

粘土槨の東西に墓壙が掘られ、豊富な武器や武具が副葬されていた。その東側の墓壙(粘土槨)から「中平」の年号を持つ刀が出土した。鉄刀20本、鉄剣9本などの武器類のほか、玉類、腕輪形石製品、滑石製のつぼなどが出土。

「中平」銘鉄刀を含む5本の装飾環頭付きの鉄刀(大刀)の環頭は、様々な意匠を表している。基本的には楽浪の石巌里(せきがんり)の古墳で出土しているような環の中に三葉形を入れた三葉環。三葉環の鉄刀は、福岡市の若八幡宮古墳(4世紀)からも出土している。

【関連サイト】
東大寺山古墳 - Wikipedia