原の辻遺跡―壱岐に甦る弥生の海の王都 (日本の遺跡)
・刊行:2008/11
・著者:宮崎貴夫
・出版:同成社

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原の辻遺跡(長崎県・壱岐市)は九州北西海上の壱岐島にある弥生時代の大規模な多重環濠集落跡。

東アジア最古とされる船着き場跡の発見により注目を集め、その後の調査でも大陸・朝鮮半島との交易・交流を物語る多様な遺物が出土し、『魏志倭人伝』に記載されている「一支国」(いきこく)の王都と確認された。

2000年には国の特別史跡となり、現在は復元・整備が進められている。

「地域の個性をあらわすシンボル」「未来を見通す望遠鏡」である遺跡の過去・現在・未来を、最新の発掘データをふまえ、1冊に凝縮する。遺跡の総合ガイドブック。

1 船着き場の発見

2 壱岐の自然的・歴史的環境
・壱岐の地理的位置と風土
・壱岐の歴史的環境
・壱岐の環境的特性

3 原の辻遺跡調査研究の歩み
・遺跡発見から東亜考古学会の調査
・石田大原墓域の調査から範囲確認調査
・環濠の確認から国特別史跡の指定と整備

4 集落の変遷と歴史的契機について
・遺跡の立地環境
・原の辻集落成立前後の様相
・第Ⅰ期―集落の形成と木器・石器工房
・第Ⅱ期―環濠集落の成立と交易の活発化
・第Ⅲ期―環濠の再掘削と低地居住の放棄
・第Ⅳ期―環濠の消滅
・第V期―原の辻大集落の解体

5 発掘調査の成果と評価
・船着き場跡について
・祭儀場について
・台地中心域の居住の様相
・墓域について
・大陸・朝鮮半島系土器と対外交流の実態
・「交易機構」「貿易論」と原の辻遺跡
・銭・権・市からみる交流の実態

6 原の辻遺跡の保存と復元整備
・原の辻遺跡の保存と史跡指定
・原の辻遺跡保存整備計画の策定
・県立埋蔵文化財センター・市立一支国博物館の整備計画
・原の辻遺跡の第一期保存整備計画