日出づる国の古代史―その三大難問を解く
・刊行:2011/2
・著者:高城修三
・出版:現代書館

・『日出づる国の古代史―その三大難問を解く』をアマゾンで購入

歴代の宝算=天皇の年齢を春秋年で解決。本書では、「日本古代史の三大難問」とされている、紀年論・邪馬台国論・神武東征論に芥川賞作家が挑む。教科書が逃げた日本の歴史がここにある。

歴代の宝算(天皇の年齢)を春秋年で解決。第十代崇神天皇崩年は西暦290年、邪馬台国は大和、卑弥呼は倭迹迹日百襲姫(ヤマトトモモソヒメ)、神武東遷は2世紀半ば博多湾周辺部から大和に向けて敢行、を論証。

【関連記事】
【邪馬台国論争】今までの研究・論争まとめ - 畿内説

管理人了
大和は邪馬台国である』 『神武東征』をまとめたような著作。

ヤマトトモモソヒメ説などに共通するのは、ヤマトトモモソヒメをいかにして卑弥呼に仕立て上げるか、という点。記紀を読み込み、色々解釈すればそれらしくまとまるかもしれないが、そこまで捻り回さなければならない不自然さはどうしてもぬぐえない。

ただ、それをすべて否定するものではなく、色々な解釈があって、それはそれでまた新たな発見も生まれてくるものだと思う。本書でもヤマトトモモソヒメの母オオヤマトクニアレヒメにまでさかのぼって言及している。
平安京からの行程(『延喜式』) - 高城修三『日出づる国の古代史―その三大難問を解く』P167