・刊行:1972/4
・著者:本居宣長
・出版:筑摩書房

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古事記伝でも知られる本居宣長が、邪馬台国や卑弥呼について触れた、『馭戒慨言』(からおさめのうれたみごと、ぎょじゅうがいげん)を収録している巻。時期的には、新井白石による畿内説&九州説の提示より少し後になるか。

日本書紀神皇正統記などで指摘された、卑弥呼は神功皇后、という説に対して、国学者の立場から「ありえない」と指摘。邪馬台国の大和政権(天皇家)とのかかわりを否定し、邪馬台国は筑紫にあり、卑弥呼は熊襲あたりが神功皇后の名を騙ったもの、などとした。現在の鹿児島県付近を想定している。

魏志倭人伝に多くの批評を加え、原文の間違いを指摘して正すという手法が取られており、今日にも見られる原文の恣意的解釈の走り、とも言われている。

江戸期からそれ以降の、国学者は九州説、儒学者は畿内説というスキームを作ることになる。

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