まぼろしのヤマタイコク―魏志倭人伝にかくされた嘘と陰謀
・刊行:2002/11
・著者:三好誠
・出版:国書刊行会

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「魏志倭人伝」は、偽書である! 日本人を卑屈にする呪縛である!

邪馬台国は存在しなかった―

斬新な推論、様々な文献・史料を精査し、「魏人倭人伝」にかくされた「意図」を読み解き、邪馬台国不在論を展開、古代史論に終止符を打つ、著者渾身の古代史論考。

本書を読んでも、まだあなたは、「魏志倭人伝」を信じますか。

管理人了
偽書かどうかは別として、普通の感覚で魏志倭人伝を読んだらこうなる、という極めて正常な書。

固有名詞については、おそらく、当時の倭国人から耳で聞いたものを、当時の中国人が当て字にしたものだろうが、まあ、普通に悪字を使っている。中華思想の何ものでもない。そこが出発点にならないといけないな、という意味で、一つの啓蒙の書であり、魏志倭人伝を触るすべての人は一回は目を通した方がよいかもしれない。

一部に魏志倭人伝の崇拝者がいるのが100年続く邪馬台国論争。本書と同様の問題意識があれば、ここにつながるような気がするのだが。さすがに、正史に嘘八百は書けないし、載せられないと思うので、偽書と断定するのは極端だと思うが、参考資料という位置づけが落ち着くのでは。

ただし、不在、つまり非実在という結論は一つの帰結、なのかもしれない。