古代日本の女性天皇
・刊行:2005/5
・著者:吉野裕子
・出版:人文書院

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日本の古代、なぜにかくも多くの女性天皇が登場したのか。「原始日本社会の女性上位」と「古代日本の女性天皇」の2部で構成。小柴昌俊、遠山慶子両氏との「天皇制」をめぐる座談会を冒頭に収録。

最高蛇巫としての女性祭祀者を最上位におく原始日本の伝統を記紀や新羅の神話の局面に探りながら(第一部)、万事に中国を範とした古代日本にあって、女帝皆無の中国に対し、わが国ではどうしてこのように多くの女帝を排出したかを、天の北極星の神霊化たる太極としての天皇存在の本質から説き起こす(第二部)。

推古、皇極、持統、孝謙等々、歴代の女性天皇の女帝としての「徳」獲得のさまざまなあり方を、易・五行の中国哲理によって解明する吉野民俗学の真骨頂。