「幻の邪馬台国」の座標軸―「魏志倭人伝」を読み解く
・刊行:2006/9
・著者:中野雅弘
・出版:早稲田出版

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推理ロマンから計算論理への誘い。

「魏志倭人伝」は、既存の漢文読み下し方法では正しく理解することができない。

本書では漢文の行路記事を言語データとして三段論理に区分処理し、文章構造を語法解析によって、その内容を正確に解きほぐすアプローチとする。

著者・中野雅弘は、1937年生まれ。幼少時代から宗教大学までは、僧侶の道をまっしぐら。青年期に物心ついてからは経済学へ転向。サラリーマン時代は主として、横文字世界の海外向け大規模工場建設や海外駐在などを経験。

25年ほど前に独立してから海外プラント輸出のコンサルタント・翻訳会社経営。傍ら、比較言語学の研究および魏志倭人伝・邪馬台国論に没頭。

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ロジカルに読解しようという姿勢が全面に見られる。

九州北岸までの行路は古田武彦説、伊都国から邪馬台国までの行路は榎一雄(放射)説、里数関連でいえば松本清張説のそれぞれ一部に近いと明言し、邪馬台国の位置は糸島のすぐ南隣としている。
邪馬台国論諸説の大半を占める、邪馬台国までの進路パターン - 中野雅弘『「幻の邪馬台国」の座標軸―「魏志倭人伝」を読み解く』P15
陳寿定義図 - 中野雅弘『「幻の邪馬台国」の座標軸―「魏志倭人伝」を読み解く』P18
行路記事の木構造 - 中野雅弘『「幻の邪馬台国」の座標軸―「魏志倭人伝」を読み解く』P49