・刊行:2008/5/23
・著者:門脇禎二
・出版:吉川弘文館
・『邪馬台国と地域王国
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耶馬台国はどこか。この謎に迫り、吉備・筑紫・出雲などの地域王国の競合とヤマト朝廷との関わりから国家の成り立ちを検証。日本の民族文化の形成を明らかにし、知られざる「古代地域王国」の実態を浮き彫りにする。
担当編集者より
邪馬台国は、大和(畿内)か、九州か。この位置論は、日本国家の起源に関わる重要な意味を持っている。現在では、この位置論争は問題が出尽くしたように理解され、考古学者が主張する前方後円墳の出現と波及を政治的体制の形成と捉え、大した議論もなく大和説がまかり通っているように見える。
しかし、当然ながら邪馬台国は『魏志倭人伝』を離れて議論できないという。京都学派として大和説であった著者は、年来の持論である「地域王国論」の立場から『倭人伝』を丹念に読み込み、大和説と訣別し北九州説を主張する。
著者によれば、邪馬台国段階の3世紀には、大和も吉備・出雲・筑紫など、各地にあった王国の一つにすぎず、それらの王国が競合しながら、5世紀中ごろの雄略朝前後に大和を中心にまとまるという国家形成史を描いている。
病床にあって、すさまじい気力で執筆した大家の、迫力ある邪馬台国九州説に立った古代国家形成史を、是非味読していただきたい。
1 耶馬台国論―民族・国家形成史の起点
・「魏志倭人伝」という文献史料
・耶馬台国の位置論;女王国―魏のみた倭国
ほか
2 地域王国の競合とヤマト王国
・地域王国の統合組織―キビの場合
・「調」刻字土器の史的意義―新発見資料の発表・報道をめぐる所感
・海人と海部・海部直の日本海域における活動 ほか
3 民族文化の形成(大三輪の神なびと出雲の神々―出雲国造神賀詞をめぐって
・女性による初期仏教の受容について
・斎王と日本古代史
ほか
付 文化史学と文化財学
管理人了
学者には珍しく、松本清張の説を真摯に受け止め、これを評価する。また、学者にはやはり珍しく、最近の説を積極的に紹介し、それを自説に取り入れたことを明言する。具体的には水野祐『評釈 魏志倭人伝』、平野邦雄『邪馬台国の原像』など。
・著者:門脇禎二
・出版:吉川弘文館
・『邪馬台国と地域王国
耶馬台国はどこか。この謎に迫り、吉備・筑紫・出雲などの地域王国の競合とヤマト朝廷との関わりから国家の成り立ちを検証。日本の民族文化の形成を明らかにし、知られざる「古代地域王国」の実態を浮き彫りにする。
担当編集者より
邪馬台国は、大和(畿内)か、九州か。この位置論は、日本国家の起源に関わる重要な意味を持っている。現在では、この位置論争は問題が出尽くしたように理解され、考古学者が主張する前方後円墳の出現と波及を政治的体制の形成と捉え、大した議論もなく大和説がまかり通っているように見える。
しかし、当然ながら邪馬台国は『魏志倭人伝』を離れて議論できないという。京都学派として大和説であった著者は、年来の持論である「地域王国論」の立場から『倭人伝』を丹念に読み込み、大和説と訣別し北九州説を主張する。
著者によれば、邪馬台国段階の3世紀には、大和も吉備・出雲・筑紫など、各地にあった王国の一つにすぎず、それらの王国が競合しながら、5世紀中ごろの雄略朝前後に大和を中心にまとまるという国家形成史を描いている。
病床にあって、すさまじい気力で執筆した大家の、迫力ある邪馬台国九州説に立った古代国家形成史を、是非味読していただきたい。
1 耶馬台国論―民族・国家形成史の起点
・「魏志倭人伝」という文献史料
・耶馬台国の位置論;女王国―魏のみた倭国
ほか
2 地域王国の競合とヤマト王国
・地域王国の統合組織―キビの場合
・「調」刻字土器の史的意義―新発見資料の発表・報道をめぐる所感
・海人と海部・海部直の日本海域における活動 ほか
3 民族文化の形成(大三輪の神なびと出雲の神々―出雲国造神賀詞をめぐって
・女性による初期仏教の受容について
・斎王と日本古代史
ほか
付 文化史学と文化財学
管理人了
学者には珍しく、松本清張の説を真摯に受け止め、これを評価する。また、学者にはやはり珍しく、最近の説を積極的に紹介し、それを自説に取り入れたことを明言する。具体的には水野祐『評釈 魏志倭人伝』、平野邦雄『邪馬台国の原像』など。
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