・所在地:群馬県前橋市西大室町2545

・時 期:6世紀後半
・時 代:古墳時代後期
・形 状:前方後円墳
・特 徴:-
・指 定:国の史跡

【概要】
前二子古墳中二子古墳などとともに大室古墳群を形成する。国の史跡に指定されている。

主軸を北東110度に向けた前方後円墳で墳丘長85メートルの2段構築。墳丘の一部は地山を削り出して造成され、半地下式の石室を持つ。葺石は施されていない。墳丘の周囲は盾型の堀が巡らされ、堀を入れた長さは106メートルに達する。

後二子古墳は1段目を大きく造り、その上に小さな2段目が載る構造をしている。このような構造は吾妻古墳など主に6世紀の栃木県の古墳に見られ、「下野型古墳」等と呼ばれている。

6世紀中頃の毛野地域では「下野型古墳」の築造が流行したようで、同じ古墳群内の小二子古墳と内堀1号墳も「下野型古墳」の特徴を備えている。

埋葬施設は半地下式の両袖型横穴式石室で、南に開口する。現状で全長は9メートルあるが、元は9.5メートルほどあったらしい。玄室は奥壁で高さ2.2メートル、幅2.7メートルである。墓道の先端には葬送儀礼に使われたと思われる柱穴がある。

石室入り口の前面、墓道とその両側のテラス面からは土師器(坏18、鉢1、大甕1)、須恵器(高坏2、𤭯1)、小刀1、鉄滓2が出土した。また煮炊きの後と思われる焼土が3カ所で確認され、石室の前で煮炊きを行う儀礼が行われていたと考えられる。

後二子古墳の特徴的な出土品の一つに、猿と犬の小像の付いた円筒埴輪があげられる。この円筒埴輪には猿の親子とそれを追う犬の土製品が付いているが、こうした小像付き円筒埴輪は本例を含め全国でも3例のみ、しかもその全てが群馬県で確認されている。

石室からは被葬者の歯が3本発見され、鑑定の結果熟年の女性のものであることが判明した。また明治に発掘された耳環は11点を数えるため、被葬者は少なくとも6人いたとみられている。

古墳のある地域内は大室公園として、日本の歴史公園100選の一つ。

【関連サイト】
後二子古墳 - Wikipedia

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