・所在地:滋賀県東近江市上羽田町・中羽田町

・時 期:-
・時 代:古墳時代前期
・形 状:前方後円墳
・特 徴:-
・指 定:-

【概要】
琵琶湖の南東部に広がる湖東平野の独立丘陵である雪野山(標高308.82メートル、旧八日市市と蒲生郡竜王町の境)の頂に築造された古墳時代前期後半の前方後円墳。1989年(平成元年)の夏に発見され、1992年(平成4年)まで4次にわたる発掘調査が行われた。未盗掘状態の石室が発掘され出土品多数。

墳丘の全長は70メートルで、前方部を北北東に向けており、琵琶湖と平行に並んでいる。後円部径40メートル、高さ4.5メートル以上、前方部長さ30メートル、高さ2.5メートル。後円部は二段築成であり、葺石が敷かれているが、墳丘の一部(後円部の下段部分や前方部の前端部分)が盛土でなく湖東流紋岩を削って墳丘の表面としている。埴輪は有していない。

後円部頂上に東西に並ぶ二基の埋葬施設がある。先に埋葬されたと思われる東側の竪穴式石室が発掘調査された。この石室は主軸を南北にとり、長さ6.10メートル、北橋幅1.55メートル、南橋幅1.35メートル、高さ1.60メートルで前期前方後円墳の石室の特徴を備えており、長大に作られている。

検出された墓壙の大きさは、上段墓壙は南北10.6メートル、東西7.0メートルで、下段墓壙南北8.6メートル、東西4.8メートル。石材は、雪野山の基盤である湖東流紋岩。

棺内に残っていた遺物は、銅鏡、石製品、玉類、農工具、漁具、土器など。棺外に竪櫛と合子以外はすべて武器・武具。棺蓋に置かれていたと推測できる。鉄鏃、銅鏃数本が発見されている。

棺外の副葬品としては、小札革綴冑(こざねかわとじかぶと)、木製短甲からなる甲冑など防具、銅鏃、鉄鏃、鉄刀、鉄剣、竪櫛(たてぐし)、靫(ゆぎ)、木製合子(ごうす)など。

3面の三角縁神獣鏡が出土していることからヤマト政権との関係が考えられる。

【関連サイト】
雪野山古墳 - Wikipedia

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