古墳時代の地域社会復元・三ツ寺1遺跡 (シリーズ「遺跡を学ぶ」)
・刊行:2004/2
・著者:若狭徹
・出版:新泉社

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三ツ寺I遺跡(三ツ寺遺跡=群馬県・高崎市)は、日本で初めて発見された古墳時代後期の豪族の館跡で、教科書にも掲載されている遺跡です。

本書では、この遺跡が水をキーワードに構築された「聖なる水の祭祀施設」であることを明らかにし、さらにここを拠点とした豪族の地域経営戦略についても考察しました。

豪族はこの遺跡で盛大な祭りを行って人心をまとめ、水利事業・耕地整備など大土木工事と農業政策を推進することで、経済発展を実現し、巨大な古墳を残したのです。

また渡来技術の導入によって、先進的な馬の生産を進め、現在の県名にまで採用された「群馬」地域の礎を築きました。

古墳時代は政権の中心であったヤマト地域を中心に語られがちですが、本書では関東の地域研究を通じて、より生き生きとした古墳時代の地域社会像を描き出すことに心を砕いたつもりです。