アメノヒボコ、謎の真相
・刊行:2014/2/21
・著者:関裕二
・出版:河出書房新社

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『日本書紀』が全身全霊を傾けてアメノヒボコ(天日矛)の出生を誤魔化したのはなぜか? 渡来人なのに、なぜ神の名を与えられたのか? ヤマト建国の歴史を熟知していたから『日本書紀』は歴史を塗り替えたのではないか? ヤマト建国の鍵を握った人物、アメノヒボコの実像に迫る!

武内宿禰(建内宿禰)だったのか、スサノヲだったのか。

【管理人了】
最初の考古学的成果、近江、尾張、そして重要なポイントとなるタニハらが、ヤマト政権の主体となっていくという点については面白いと思った。

ただ、基本的には『日本書紀』『古事記』を自説に有利なように切り貼りしている印象がぬぐえず、自説がこうだから、 『日本書紀』『古事記』はこう読む、という感じになっており、説得力に欠ける。

考古学などほかの材料を持ち出して『日本書紀』『古事記』を批判するのであればよいと思うが。しかし、考古学も文字資料が出ない限り確定的なことは言えないので、記紀を根本から批判するのは難しい。

筆者は、考古学的に見て、北九州勢力の東進はなかった、ヤマト政権の主体とはならなかったとするが、一方で、前方後円墳には各地のパーツが組み合わされて出来上がったしつつ、その中に北九州の豪華な副葬品、というパーツも入れている。