日本の歴史〈1〉神話から歴史へ (中公文庫)
・刊行:2005/6
・著者:井上光貞
・出版:中央公論新社

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第二次大戦後、画期的な進歩を示した歴史学と発掘成果いちじるしい考古学とは、古事記・日本書紀の世界に、まったく新しい光を投げかけた。

これら諸学を総合的に協力させることにより、従来の歴史書には見られない鮮明さで、古代日本はその姿を現すこととなった。

巻末に森浩一「四十年のちのあとがき」を付す。

井上は、1965年、「日本国家の起源」を著し、邪馬台国論争において、邪馬台国の位置を「九州の九州北部」に、卑弥呼を「天照大神(アマテラス)」に比定している。また、邪馬台国の東遷が最も自然な解釈とした。

邪馬台国の位置論ばかりではなく、国としての性格、いわゆる国家論にも言及した論者として知られている。邪馬台国は各々自主権を持つ諸小国の連合体であり、連合された小国の政治的支持はなく、政治的安定はありえない、とした。