大国主命(おおくにぬしのみこと)の国譲りを題材とした神楽です。経津主命(ふつぬしのみこと)、武甕槌命(たけみかづちのみこと)が、大国主命に出雲の国を譲る様に談判します。

大国主命は、自分の2人の息子の承諾を得るようにと言い、第一の王子、事代主命(ことしろぬしのみこと)は承諾しますが、第二の王子、建御名方命(たけみなかたのみこと)は承諾せず、経津主命と決戦となるがあえなく敗れて降参し、国を譲ります。 (出典:なつかしの国 石見

【ぶっちゃけ式解説】
古事記にはフツヌシは登場しません。また、日本書紀にはタケミナカタが登場しません。双方を合体させた形と言えそうです。そしてそのタイトルが「鹿島」。

日本書紀では、フツヌシが主で、タケミカヅチはその配下という形になります。日本書紀に準じるのであれば(配役、説明文の順でもフツヌシが先)、フツヌシが鎮座する香取神宮にちなんで「香取」とする方が妥当のような気がしますが、タイトルはあくまでも「鹿島」。

つまり、鹿島神宮に鎮座するタケミカヅチが主だよ、ということを訴えているのかもしれません。鹿島香取は完全に一体なので、そこまでの深読みはないのかもしれませんが、この演目のタイトルに限らず、フツヌシ、どうしても実在感が希薄です。古事記に登場しないから、という訳ではないのですが。タケミカヅチと同体か、その愛剣と考えたくなります。

本題の国譲り、それとオオクニヌシコトシロヌシはどこいった? またの機会に、というより、もう再三取り上げているので。ただこの演目は、あくまでもフツヌシ、タケミカヅチの視点なので、「国受け」というサブタイトルが付いています。

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