ツクヨミ 秘された神 (河出文庫)
・刊行:2014/9/8
・著者:戸矢学
・出版:河出書房新社

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アマテラススサノヲと並ぶ三神のひとつ、ツクヨミ。しかし記紀の記述は極端に少ない。

その古代史上の謎の神の秘密に、三種の神器、天武天皇、桓武天皇、陰陽道と いった観点から、はじめて迫る。

管理人了
ツクヨミに関する初めての本格的な書籍。しかし、作者の主観で論が展開するので、一般論としてのツクヨミ論として期待しては厳しい面もあるが、作者の主張にはいろいろ面白い点もあり、勉強になった。

日本書紀、古事記の桓武天皇による改竄論。確かにいろいろ説明できるが、両書の内容に対する吟味や比較がなく、同一に語っているところに、あまり具体さを感じさせなかった。

豊受大神宮(伊勢の神宮の外宮)の御祭神はトヨウケビメノカミではなく、ツクヨミ。三貴子の中でツクヨミの存在が小さすぎること、外宮が男神を祀っているようにしか見えない千木・鰹木、さらに、

・皇大神宮 - 女神 - アマテラス - ニギハヤヒ - 太陽(日)
・豊受大神宮 - 男神 - ツクヨミ - 天武天皇 - 太陰(月)

などと図式化。道教、ニギハヤヒにしても持論を展開している筆者らしい。

そもそも資料が少なすぎるツクヨミを、正統にはなかなか研究できないかもしれない。本書の最初の方でもあったが、検索結果の検証などは面白く、本書付録にもなっている各種ツクヨミに関する神社の由緒や来歴を丹念にまとめ上げるしか方法はないか。

意外にも、不思議に思っていた神社としての鹿島神宮の話で、いろいろ興味深い情報を得られたのは収穫だった。