・所在地:福岡県京都郡苅田町富久町1丁目

・時 期:4世紀初頭
・時 代:古墳時代前期
・形 状:前方後円墳
・特 徴:-
・指 定:国の史跡

【概要】
周防灘を望む緩斜面に築造された前方後円墳。周囲はやや削られており、推定全長120メートル、後円部高さ10メートル以上と思われる。

前方部は墳丘上にある神社建立時に上面が削平されている。墳丘には葺石が見られるが、埴輪の存在は確認されていない。寛政8年(1796年)に長さ5.5メートル、幅・高さとも1メートルの竪穴式石室が発掘されているが、現在は実見できない。

出土遺物は石塚山古墳より少し離れた宇原神社に所蔵されている舶載三角縁神獣鏡6種7面、素環頭大刀、銅鏃があるが、小倉藩主「小笠原家文書」によると銅鏡は11面(「宇原神社由来記」によると14面)と金具が出土したと伝えられる。現存する鏡は岡山県備前車塚古墳、京都府椿井大塚山古墳などの出土鏡と同笵である。

1987年に再発掘が実施され、後円部の石室は大破していることがわかった。この時の発掘では細線式獣帯鏡片、琥珀製勾玉、碧玉製管玉、小札革綴冑片などが出土。

椿井大塚古墳(京都府・木津川市)、備前車塚古墳(岡山県・岡山市)などと同じく墳丘に円筒埴輪列が見られない。また、出土遺物に石釧や車輪石、鍬形石などの石製腕飾類を含まず、出土鏡がすべて舶載鏡(中国鏡)と考えられることが共通。古墳時代でも極めて早い時期での築造と考えられる。

なお、同じ苅田町には、やはり推定120メートル前後とみられる御所山古墳があり、畿内以外で100メートル級の前方後円墳が近くに複数あるのは珍しい。

【関連サイト】
石塚山古墳 - Wikipedia

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