安産の神、八上姫命の子、日本最古の三つの井戸と座摩神
[住所]島根県出雲市斐川町直江2518
[電話]0853-72-3146
御井神社(みいじんじゃ)は、島根県出雲市斐川町直江にある神社。山陰本線の直江駅の東約3キロ。御朱印の有無は不明。
『出雲国風土記』出雲郡条に記載された在神祇官社の「御井社」、『延喜式神名帳』にある「御井神社(出雲国・出雲郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では郷社。
大国主命の神話に登場する八上比売(八上姫命)と、その子である木俣神(このまたのかみ)にまつわる伝承があり、安産の神として信仰されている。
御祭神の木俣神は、『古事記』に描かれる大国主命の神話に登場する。若かりし大国主命、つまり大穴牟遅神と結婚した八上姫命は、子を身ごもり出雲国まで来た。
しかし、そこには大国主命の正妻として、すでに須勢理毘売命がおり、八上姫命はそれを畏れ、生まれた子を木の俣に押し込んで因幡国に帰った。因幡国八上郡には賣沼神社がある。
そのため、その子は木俣神と名づけられた。なお、木俣神として、八上姫命の娘である多岐喜姫命が祀られている神社に鳥取県米子市の阿陀萱神社がある。
また、当社の近くには「生井(いくい)」「福井(さくい)」「綱長井(つながい)」と呼ばれる三つの井戸がある。
お産のために、母神である八上姫命が順次掘ったもので、八上姫命が湯あみし、木俣神を産湯させたものと伝わる。
日本最古の井戸ともされ、元来この三つの井戸に対する信仰が神社に発展したものと考えられる。このため、御祭神である木俣神は井戸の神としての御井神とも呼ばれる。
・生 井……生気ある神 子安 無病息災
・福 井……(栄久井)栄える井 母子の発展 家運隆昌
・綱長井……つるべの綱の長い井 母子の長寿 家内安全
現在は上記のように考えられ、3柱の水神として丁重に祀られている。特筆すべきは、これらの神々が、座摩巫祭神五座、いわゆる座摩神の上位3柱に比定される説があること。
公式にも、この三つの井戸が宮中に御分霊されたとしているが、なぜ、大国主命-八上姫命-木俣神というラインに関わる井戸が宮中に御分霊されたのかは分からない。
宮中守護の最重要神である座摩神の一部を、いわば出雲・因幡ローカルの国つ神をわざわざ勧請するというのは普通では考えられないが、これが日本の信仰の形の一つなのかもしれない。
他に、当社地の近くには、かつての大社造の社殿の遺構と考えられる9本柱の柱穴がある杉沢Ⅲ遺跡が発掘されており、初期の社地と推定されている。
なお、出雲国には秋鹿郡にも同名の式内社がある。松江市の佐太神社の境内社、秋鹿神社に合祀されたものが論社になっている。
当社の例祭は10月9日。摂末社に、境内社の天神社、境外社で、母神の八上姫命を祀る実巽神社(じっそんじんじゃ)がある。
現在は11月1日に剣舞が奉納される。獅子舞の一種で、伊勢の太神楽の流儀を受けたものと言われ、御幣、鈴、刀、ささら、扇などを持って舞う。
御井神社剣舞保存会が結成されており、当初は12段だったが、現在は7段の舞を伝承している。
【ご利益】
安産、子宝、無病息災、身体壮健、家内安全

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御井神社(みいじんじゃ)は、島根県出雲市斐川町直江にある神社。山陰本線の直江駅の東約3キロ。御朱印の有無は不明。
『出雲国風土記』出雲郡条に記載された在神祇官社の「御井社」、『延喜式神名帳』にある「御井神社(出雲国・出雲郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では郷社。
大国主命の神話に登場する八上比売(八上姫命)と、その子である木俣神(このまたのかみ)にまつわる伝承があり、安産の神として信仰されている。
御祭神の木俣神は、『古事記』に描かれる大国主命の神話に登場する。若かりし大国主命、つまり大穴牟遅神と結婚した八上姫命は、子を身ごもり出雲国まで来た。
しかし、そこには大国主命の正妻として、すでに須勢理毘売命がおり、八上姫命はそれを畏れ、生まれた子を木の俣に押し込んで因幡国に帰った。因幡国八上郡には賣沼神社がある。
そのため、その子は木俣神と名づけられた。なお、木俣神として、八上姫命の娘である多岐喜姫命が祀られている神社に鳥取県米子市の阿陀萱神社がある。
また、当社の近くには「生井(いくい)」「福井(さくい)」「綱長井(つながい)」と呼ばれる三つの井戸がある。
お産のために、母神である八上姫命が順次掘ったもので、八上姫命が湯あみし、木俣神を産湯させたものと伝わる。
日本最古の井戸ともされ、元来この三つの井戸に対する信仰が神社に発展したものと考えられる。このため、御祭神である木俣神は井戸の神としての御井神とも呼ばれる。
・生 井……生気ある神 子安 無病息災
・福 井……(栄久井)栄える井 母子の発展 家運隆昌
・綱長井……つるべの綱の長い井 母子の長寿 家内安全
現在は上記のように考えられ、3柱の水神として丁重に祀られている。特筆すべきは、これらの神々が、座摩巫祭神五座、いわゆる座摩神の上位3柱に比定される説があること。
公式にも、この三つの井戸が宮中に御分霊されたとしているが、なぜ、大国主命-八上姫命-木俣神というラインに関わる井戸が宮中に御分霊されたのかは分からない。
宮中守護の最重要神である座摩神の一部を、いわば出雲・因幡ローカルの国つ神をわざわざ勧請するというのは普通では考えられないが、これが日本の信仰の形の一つなのかもしれない。
他に、当社地の近くには、かつての大社造の社殿の遺構と考えられる9本柱の柱穴がある杉沢Ⅲ遺跡が発掘されており、初期の社地と推定されている。
なお、出雲国には秋鹿郡にも同名の式内社がある。松江市の佐太神社の境内社、秋鹿神社に合祀されたものが論社になっている。
当社の例祭は10月9日。摂末社に、境内社の天神社、境外社で、母神の八上姫命を祀る実巽神社(じっそんじんじゃ)がある。
現在は11月1日に剣舞が奉納される。獅子舞の一種で、伊勢の太神楽の流儀を受けたものと言われ、御幣、鈴、刀、ささら、扇などを持って舞う。
御井神社剣舞保存会が結成されており、当初は12段だったが、現在は7段の舞を伝承している。
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安産、子宝、無病息災、身体壮健、家内安全

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