百舌鳥・古市古墳群は、大阪の南部、堺市、羽曳野市、藤井寺市の3市にまたがる巨大古墳群であり、堺市の「百舌鳥」と羽曳野市・藤井寺市の「古市」の2つのエリアに分かれながらも、一体性・連続性をもっています。(百舌鳥・古市古墳群世界文化遺産登録推進本部会議) 

まさに古事記の時代、その建造物。宮内庁治定などの問題もあり、学術的な解明が進みずらいなどの問題を抱えながらも、その存在は紛れもありません。世界に誇る日本の古事記時代の建造物 - 古墳、世界最大の陵域面積を有すものを含む百舌鳥・古市古墳群と、その世界遺産登録までの取り組みを紹介します。

百舌鳥古墳群(もずこふんぐん) タグ

大阪府堺市にある古墳の集まりをいう。巨大な前方後円墳を擁する古墳群として知られる。4世紀末ないし5世紀初頭から6世紀後半頃に築造された古墳が分布する。

第十六代仁徳天皇の陵とされる大仙陵古墳、第十七代履中天皇の陵とされる上石津ミサンザイ古墳など、墳丘長200メートル以上の大型の前方後円墳3基を含む。

かつて100基以上の古墳があったとされるが、第二次大戦後に宅地開発が急速に進んだため、約半数近くの古墳が破壊され、現存するのは50基に満たない。

大型の前方後円墳にはいくつかの陪塚が存在するのが通例だが、百舌鳥古墳群の場合、それが円墳の場合が多く、古市古墳群の方墳が主体となっているのと違いがある。

百舌鳥古墳群の一覧

古市古墳群(ふるいちこふんぐん) タグ

大阪府の東南部に位置する、羽曳野市と藤井寺市を中心に広がる古墳群で、4世紀末から6世紀前半頃までのおよそ150年の間に築造された。

東西約2.5キロ、南北4キロの範囲内に、第十五代応神天皇の陵とされる誉田御廟山古墳など墳丘長200メートル以上の大型前方後円墳6基を含む、123基(現存87基)の古墳で構成されている。

いずれも標高24メートル以上の台地や丘陵上にある。北部の誉田山古墳仲ツ山古墳市ノ山古墳岡ミサンザイ古墳などの古い古墳群と、南方の軽里大塚古墳を中心とする前方部の著しく発達した西向きの新しい一群とに分けられる。

大型の前方後円墳にはいくつかの陪塚が存在するのが通例だが、古市古墳群の場合、それが方墳の場合が多く、百舌鳥古墳群の円墳が主体となっているのと違いがある。

古市古墳群の一覧

世界文化遺産への登録準備 -2017年度での登録目指す-

この両者が2008年9月26日、世界遺産の国内暫定リストに追加された。同年10月には百舌鳥・古市古墳群世界文化遺産登録有識者会議を、翌年8月には百舌鳥・古市古墳群世界文化遺産登録推進府市合同会議を、それぞれ設置した。

2010年6月には文化審議会世界文化遺産特別委員会で、同年10月には世界遺産条約関係省庁連絡会議でそれぞれ記載が了承され、同年11月22日 ユネスコ世界遺産暫定一覧表に記載される。

2015年度中に日本の推薦候補資産に選定、国がユネスコ世界遺産センターへ推薦書を提出し、2016年度中にICOMOS(イコモス;国際記念物遺跡会議)による審査・現地調査を受け、2017年度中にユネスコ世界遺産委員会で登録の可否が決定される見込み(予定)。

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