文化庁に2014年11月27日入った連絡によると、国連教育科学文化機関(ユネスコ)は、フランス・パリのユネスコ本部で政府間委員会を開き、日本政府が推薦した「和紙 日本の手漉(てすき)和紙技術」を無形文化遺産に登録することを決めたといいます。産経新聞が報じています。写真は和紙でおられた折り紙(出典:Wikipedia)。
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和紙も、「古事記とともにある」日本の誇る技術です。1000年も保存できると言われるその独特の技術を生かした紙は、ペーパレスと言われるこの時代でも、様々な場所で重要な役割を担い続けています。今回、それらの功績が認められ、無形文化遺産に登録されたことは大変喜ばしいことです。
古事記には、第十五代応神天皇の項に、百済の和邇吉師が『論語』10巻と『千字文』1巻を将来した、とあり、これが、日本における書物の初伝とされます。『千字文』の作者と、古事記における応神天皇の登場年代に隔たりがあり、考証学上は誤りとされますが、4世紀から5世紀には書籍や紙が伝来したものと推定されています。
日本書紀によれば、応神天皇の孫にあたる第十七代履中天皇の4年(403年)に初めて国史(ふみひと)を配置して言事(ことわざ)によって様々な事柄の記録を始める、とあり、政府によって紙による記録が始まり、紙作りの必要性が興ったと推測されています。
6世紀半ばになると、第二十九代欽明天皇の1年(540年)、渡来人である秦人・漢人に戸籍の編集をさせたという記録があります。この時に使われた紙は秦人が日本で紙を作ったと推測されています。一方、これと相前後して538年に仏教が伝来し、この際に百済の製紙技術が持ち込まれたと考えられています。
本格的な紙の国産化が始まったのは、『正倉院文書』によれば、天平9年(737年)。美作、出雲、播磨、美濃、越などで紙漉が始まったといいます。年代のわかるものとして現存する最古の和紙は、正倉院に残る美濃、筑前、豊前の戸籍用紙となります。
737年と言えば、古事記成立からわずかに25年後、日本書紀からでは17年後となり、712-720年の記紀年間とたいしたずれはなく、つまり記紀同様約1300年の歴史があります。実際に2037年が1300周年ということになります。
その後の和紙の発展は、Wikipediaなどをご確認いただくとして、古事記が当時における最先端のメディア技術を駆使して編まれたものであれば、和紙も同時期の最先端メディアツールだった、ということはできると思います。
保存期間などを考えれば、現代ではあまり類似のものの再現を見込めない技術とも言えるかもしれず、古事記同様、大事に後世に伝えていきたい日本の宝の一つです。
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和紙も、「古事記とともにある」日本の誇る技術です。1000年も保存できると言われるその独特の技術を生かした紙は、ペーパレスと言われるこの時代でも、様々な場所で重要な役割を担い続けています。今回、それらの功績が認められ、無形文化遺産に登録されたことは大変喜ばしいことです。
古事記には、第十五代応神天皇の項に、百済の和邇吉師が『論語』10巻と『千字文』1巻を将来した、とあり、これが、日本における書物の初伝とされます。『千字文』の作者と、古事記における応神天皇の登場年代に隔たりがあり、考証学上は誤りとされますが、4世紀から5世紀には書籍や紙が伝来したものと推定されています。
日本書紀によれば、応神天皇の孫にあたる第十七代履中天皇の4年(403年)に初めて国史(ふみひと)を配置して言事(ことわざ)によって様々な事柄の記録を始める、とあり、政府によって紙による記録が始まり、紙作りの必要性が興ったと推測されています。
6世紀半ばになると、第二十九代欽明天皇の1年(540年)、渡来人である秦人・漢人に戸籍の編集をさせたという記録があります。この時に使われた紙は秦人が日本で紙を作ったと推測されています。一方、これと相前後して538年に仏教が伝来し、この際に百済の製紙技術が持ち込まれたと考えられています。
本格的な紙の国産化が始まったのは、『正倉院文書』によれば、天平9年(737年)。美作、出雲、播磨、美濃、越などで紙漉が始まったといいます。年代のわかるものとして現存する最古の和紙は、正倉院に残る美濃、筑前、豊前の戸籍用紙となります。
737年と言えば、古事記成立からわずかに25年後、日本書紀からでは17年後となり、712-720年の記紀年間とたいしたずれはなく、つまり記紀同様約1300年の歴史があります。実際に2037年が1300周年ということになります。
その後の和紙の発展は、Wikipediaなどをご確認いただくとして、古事記が当時における最先端のメディア技術を駆使して編まれたものであれば、和紙も同時期の最先端メディアツールだった、ということはできると思います。
保存期間などを考えれば、現代ではあまり類似のものの再現を見込めない技術とも言えるかもしれず、古事記同様、大事に後世に伝えていきたい日本の宝の一つです。
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