石上神宮の大鳥居と参道に向かって進む - ぶっちゃけ古事記
奈良県天理市豊井町150

訪問日:2014年10月16日夕方

あまりにも有名な古社に到着。宝物もすごいですが、境内だけでも国宝、重要文化財の宝庫。

崇神天皇陵から歩いてJR柳本駅に行き、桜井線に乗って二つ目の天理駅で下車。タクシーで五分ほど。

石上神宮の大鳥居近撮。すでに日がかなり落ちており、しかも逆光気味ですが、雰囲気だけでも。
石上神宮の大鳥居近撮 - ぶっちゃけ古事記
拝殿の方向に進みます。回廊と、向こうに楼門が見えてきました。似たようなショットを見たことある! ここを訪れるとこの角度で取りたくなるのでしょうね。
石上神宮の拝殿に進む 回廊 - ぶっちゃけ古事記
楼門と回廊です。重要文化財。神々しい。
石上神宮の楼門(重要文化財)と回廊 - ぶっちゃけ古事記
楼門を近撮。
石上神宮の回廊(重要文化財)近撮 - ぶっちゃけ古事記
摂社への階段を上ったところから楼門を望みます。
石上神宮の楼門(重要文化財)を望む - ぶっちゃけ古事記
奥側から楼門と回廊。
石上神宮の楼門(重要文化財)と回廊、奥側より - ぶっちゃけ古事記
楼門をくぐり拝殿へ。
石上神宮の拝殿(国宝) - ぶっちゃけ古事記
拝殿を向いて、左側を望みます。
石上神宮の拝殿(国宝)、向かって左手を望む - ぶっちゃけ古事記
拝殿を向いて、右側を望みます。
石上神宮の拝殿(国宝)、向かって右手を望む - ぶっちゃけ古事記
この拝殿は、入母屋造、檜皮葺。第七十二代白河天皇(在位:延久4年12月8日(1073年1月18日) - 応徳3年11月26日(1087年1月3日))が新嘗祭を行う皇居の神嘉殿を拝殿として寄進したとの伝承があります。

実際の建立年代は鎌倉時代(1192年-1333年)初期とみられているようです。仏堂風の外観をもち、貫(柱を貫通する水平材)を多用するなど、大仏様(だいぶつよう)の要素がみられます。国宝。

伝承によれば平安末期、遅くとも鎌倉初期。ものすごい年月です。しかしそれでも創建から1000年は経っているという。。これが歴史、というものなのでしょう。

石上神宮は本殿がなかったことで有名です。禁足地と呼ばれる一帯の小山に神剣を含む神宝が眠っており、それがご神体となっていた、と。実際、明治初期に発掘され、ご神体のご出御を仰ぎ、大正2年に本殿が造営されました。

摂社のある高台から、禁足地の雰囲気だけ味わいました。
石上神宮の回廊、拝殿(国宝)の屋根越しに禁足地を望もうとする(雰囲気だけ) - ぶっちゃけ古事記
さて、ご由緒です。光の加減で一部見えづらくなっていますが、写真をクリックすると大きな写真で確認できます。
石上神宮のご由緒 - ぶっちゃけ古事記
武門の棟梁たる物部氏の総氏神として古代信仰の中でも特に異彩を放ち、健康長寿・病気平癒・除災招福・百事成就の守護神として信仰されてきました。

御祭神は、神武天皇御東征の砌、国土平定に偉功をたてられた天剣(平国之剣)とその霊威を布都御魂大神、鎮魂の主体である天璽十種瑞宝の起死回生の霊力を布留御魂大神、素盞鳴尊が八岐大蛇を退治された天十握剣の霊威を布都斯魂大神と称え、総称して石上大神と仰ぎ、第十代崇神天皇七年に現地石上布留の高庭に祀られました。

つまり、

神武天皇の東遷の際、高天原のタケミカヅチタカクラジを通じて遣わしたサジフツノカミ(剣)(フツノミタマ)
・物部氏の祖ニギハヤヒが降臨する際に授けられたとされる天璽十種瑞宝(フルノミタマ)
スサノヲヤマタノオロチを退治した時の十拳剣(フツシミタマ)

ニギハヤヒの伝承を除き、いずれも古事記でも登場してくる神々であり、剣です。さすが古事記に唯一登場する神社。ともかく、これらを総称して「石上大神」。創建は第十代崇神天皇の御世。

古事記においては、サジフツノカミが石上神宮に祀られたということの他に、第十一代垂仁天皇の御世に、皇子イニシキイリビコが大刀一千振りを奉納し、また、第十七代履中天皇が難波で実弟に反逆された後、この石上神宮まで逃げ延び、ここで政務をとったことが記されています。

古典には「石上神宮」「石上振神宮」「石上坐布都御魂神社」等と記され、この地「石上社」「布留社」とも。拝殿の伝承の通り、白河天皇とのゆかりが深く、現在では配祀神の一柱となっています。

剣とゆかりが深い古社です。神話で剣と言えば草薙の剣。フツシミタマとも関連するそれは、石上神宮の摂社でのお話になります。
古事記紀行2014 > (5)石上神宮 > 石上神宮
古事記紀行prev    古事記紀行next
【関連記事】
・石上神宮<1>古事記などの伝承通りの神々や剣、崇神天皇の御世の創建の古社
・石上神宮<2>謎が多すぎる石上神宮の摂社・末社の中でも、「なぜ出雲、なのか?」
・石上神宮<3>鶏、牛の像、ワカタ、そして柿本人麻呂 まだまだ話題豊富な古社

[動画]石上神宮 - 古事記において最も頻出する神社は元祖・剣の神社、脈々と続く尊崇
環頭大刀柄頭など - 石上神宮禁足地出土品、明治11年出土の何らかの神剣の装飾具?
琴柱形石製品など - 石上神宮禁足地出土品、明治7年の発掘時の出土品か
碧玉管玉(91) - 石上神宮禁足地出土品、明治11年にも刀剣類が数多く出土する
碧玉管玉(92) - 石上神宮禁足地出土品、明治7年の発掘では神剣が見つかる
硬玉勾玉 - 石上神宮禁足地出土品、縄文時代から使われるヒスイ輝石の勾玉
七支刀(復元品) - 銘文に極端にはこだわらず、当時の国際交流に思いを馳せ鑑賞する
【古事記紀行2014】(5)古事記にはっきり記載されている唯一の神社・石上神宮