やひろどの。

現在では普遍的に、広大な殿舎というような意味で使用されているが、古事記においては、イザナギイザナミの段とニニギの段に出てくる。

イザナギとイザナミが、天神(別天神(ことあまつかみ、別天津神とも)のことか)に「ふわふわ漂っている国を固めること」を命じられ、天浮橋で、渡された天沼矛を使って、混沌とした大地をかき混ぜ、矛から滴り落ちたものが、積もって生成されたオノゴロ島。そこに建てた巨大な殿舎。

この段においては、同時に建てられた思われる天之御柱が男女の出会いを象徴するような形で使用・記述されているが、八尋殿に関しては特に記述がない。普通に考えて、イザナギとイザナミの住まいか。

また、ニニギの段において、ニニギの妻で、ニニギにお腹の子を別のオトコのものではないかと疑われたサクヤが火中出産を決意した際に建てたお産をする御殿も、八尋殿と記述されている。

【主な登場場面】
イザナギとイザナミの子作り(国産み)、最初はうまくいかなかったワケとは?
ニニギの嫁取り いきなり妻のお腹の子を他の男のものでは?と疑う