奈良県天理市杣之内町の前方後円墳、西乗鞍古墳(全長118メートル)で、墳丘を取り巻く周濠(しゅうごう、内濠)や堤が見つかり、市教育委員会が2014年11月6日、発表したといいます。出土した須恵器や円筒埴輪から、5世紀末(古墳時代中期末)の築造と分かったようです。奈良新聞が報じています。写真は杣之内古墳群(出典:Wikipedia)
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今回の調査は、国の史跡指定に向けた基礎調査で、墳丘周囲の4カ所(約110平方メートル)を調査。これまで築造は5世紀末-6世紀前半とされていましたが、今回の調査で5世紀末に絞り込まれたと言います。
西乗鞍古墳は、杣之内古墳群に属します。杣之内古墳群は、天理市の石上神宮の南、山辺の道沿いに分布します。被葬者としては、石上神宮との距離から、周辺一帯を勢力圏にしていた物部氏の可能性が指摘されています。
中には、西山古墳のように、古墳時代前期の築造で、墳丘長183メートルの日本最大の前方後方墳があるなど超巨大と呼べる規模のものも多く、もし物部氏の墓であれば、杣之内古墳群のものは、物部氏の中でも宗家のものなのかもしれません。
前方後円墳→巨大円墳→円墳と推移し、一番新しい可能性がある保昌塚古墳では直径25メートルから35メートル程度(著しく掘削されているため、推定値)まで小規模化しているところも、物部氏の興隆から衰退・没落をなぞらえているのかもしれません。
古事記において、物部氏はあまりそのままでは出てきません。ニギハヤヒと、ナガスネヒコの妹であるトミヤスビメの子であるウマシマジが物部連の祖であること、さらに時代はぐっと下って、第二十六代継体天皇の時代、筑紫の君の磐井が従わず、無礼なことが多かったので、物部荒甲らが討伐したということが記されているのみです。
その代わりと言っては何ですが、石上神宮はよく出てきます。古事記で神社が神社として登場してくること自体珍しいのですが、石上神宮が古事記で登場してくる、ということは、そこには必ず物部氏がいたはずだと考えられます。
都塚古墳の被葬者とされる蘇我稲目(ソガノイナメ)と、対立した物部尾輿、それぞれの子である、石舞台古墳(いずれも奈良県・明日香村)の被葬者とされる蘇我馬子と、物部守屋。
西乗鞍古墳の築造は時代的には、これら崇仏・排仏の争い(物部守屋の戦死による終結が587年)の100年弱ほど前ぐらいでしょうか。代にして、2-3代程度? この間に、先の物部荒甲が死去(536年)しています。史跡指定とその調査とともに、被葬者を含む様々な謎が解明されたり、新たな謎が提示されたりされることを祈念します。
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今回の調査は、国の史跡指定に向けた基礎調査で、墳丘周囲の4カ所(約110平方メートル)を調査。これまで築造は5世紀末-6世紀前半とされていましたが、今回の調査で5世紀末に絞り込まれたと言います。
西乗鞍古墳は、杣之内古墳群に属します。杣之内古墳群は、天理市の石上神宮の南、山辺の道沿いに分布します。被葬者としては、石上神宮との距離から、周辺一帯を勢力圏にしていた物部氏の可能性が指摘されています。
中には、西山古墳のように、古墳時代前期の築造で、墳丘長183メートルの日本最大の前方後方墳があるなど超巨大と呼べる規模のものも多く、もし物部氏の墓であれば、杣之内古墳群のものは、物部氏の中でも宗家のものなのかもしれません。
前方後円墳→巨大円墳→円墳と推移し、一番新しい可能性がある保昌塚古墳では直径25メートルから35メートル程度(著しく掘削されているため、推定値)まで小規模化しているところも、物部氏の興隆から衰退・没落をなぞらえているのかもしれません。
古事記において、物部氏はあまりそのままでは出てきません。ニギハヤヒと、ナガスネヒコの妹であるトミヤスビメの子であるウマシマジが物部連の祖であること、さらに時代はぐっと下って、第二十六代継体天皇の時代、筑紫の君の磐井が従わず、無礼なことが多かったので、物部荒甲らが討伐したということが記されているのみです。
その代わりと言っては何ですが、石上神宮はよく出てきます。古事記で神社が神社として登場してくること自体珍しいのですが、石上神宮が古事記で登場してくる、ということは、そこには必ず物部氏がいたはずだと考えられます。
都塚古墳の被葬者とされる蘇我稲目(ソガノイナメ)と、対立した物部尾輿、それぞれの子である、石舞台古墳(いずれも奈良県・明日香村)の被葬者とされる蘇我馬子と、物部守屋。
西乗鞍古墳の築造は時代的には、これら崇仏・排仏の争い(物部守屋の戦死による終結が587年)の100年弱ほど前ぐらいでしょうか。代にして、2-3代程度? この間に、先の物部荒甲が死去(536年)しています。史跡指定とその調査とともに、被葬者を含む様々な謎が解明されたり、新たな謎が提示されたりされることを祈念します。
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