弾琴男子椅座像埴輪(大古事記展) - ぶっちゃけ古事記
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・弾琴男子椅座像埴輪(だんきんだんしいざぞうはにわ) 横須賀市指定文化財
・大古事記展 - III.古事記に登場するアイテムたち

・神奈川県蓼原古墳出土
・古墳時代後期
・横須賀市自然・人文博物館蔵

椅子に座り、膝の上に四弦の琴を乗せた男子像。髪を三方に分け、両耳で束ねて美豆良(みずら)とし、残りの髪を後方で束ねて垂髪とする。頭には帽子をかぶり、首には勾玉をあしらった首飾りをかける。全体の形状が分かる弾琴埴輪は全国で十点に満たない。その多くが男子の姿であることは興味深い。

古事記において、神功皇后による神懸りの際、仲哀天皇が琴を弾いていたことがまず挙げられる。神事に必要な音源は、それに見合う高位の男子の仕事だった可能性がここからもうかがえる。仲哀天皇は、神功皇后の神懸りをぞんざいに扱い、琴を弾くのを止めたりして、暗闇の中で急死することになる。

また、雄略天皇は吉野で、一度見初め、合体した乙女にもう一度会い、その際、乙女に踊らせ、自身で琴を弾いた。これも、雄略天皇と吉野の関係強化を示唆したもので、その中で天皇が琴を弾く場面が描かれていることは興味深い。

ことは、神を招き寄せる大切な呪具だったことが、この二つの説話からもうかがえる。

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