【キャラ設定】セリフも多く、歌も残り、その意味では主要な登場人物ですが、なにぶんすべてが貶められるための言動となっているところがスゴイ。ちょっと見え見えのようで。仁徳天皇の聖天子伝説につながる前振り、というところでしょうか。本当はもう少しきっちりした皇子だったような気がします。
■大山守命(おおやまもりのみこと)
父は第十五代応神天皇。異母弟に、皇后の子である大雀命(後の第十六代仁徳天皇)、父の愛妃ヤカワエの子である和紀郎子などがいる。
古事記での最初の登場は、応神天皇による、大雀命とともに受けた問答。応神天皇が、子の中で誰が一番可愛いかという質問に対して、自分のことを念頭に「兄が可愛い」と回答。
一方の大雀命は、父が愛妃の子である和紀郎子を押し上げたいという思いがあることを察して、「弟が可愛い。兄はもう成長して心配ないが、弟はそうではないから」と回答。
この問答で、応神天皇は大雀命が正しいと断を下し、和紀郎子を皇太子にすると宣言。加えて、大雀命は重宝される。一方、この問答によって失点してしまったのが大山守命。
気が収まらない大山守命は、応神天皇崩御後、すぐに皇太子・和紀郎子に反逆します。この動きを察知した大雀命は、和紀郎子に密告、和紀郎子VS大山守命の戦いを高みの見物と決め込んだようです。腹黒~
宇治川まで進軍してきた大山守命は、そこにいた船頭に声をかけ、単身渡河して和紀郎子の本陣を目指そうとします。その船頭こそ、和紀郎子の変装でした。
ここで、大山守命と船頭(和紀郎子の変装)の猪を殺せるかどうかの問答があり、船が川の中央に来た時、船頭に化けた和紀郎子が船を傾けて、大山守命を川へ突き落としました。
さあ、溺れます。ここで大山守命、命乞いの歌を歌います。
しかしそれは和紀郎子によって無視され、逆に伏せていた兵に溺れている大山守命へ矢を射かけるよう命じ、大山守命はたくさんの矢が突き刺さって、水の底に沈みました。
和紀郎子側が、鉤で水底を攫うと、大山守命が着物の中に着込んでいた鎧に当たって、カランカランと鳴ったので、その地が訶和羅之前(かわらのさき)と言われるようになり、現在も京都府京田辺市に伽和羅古戦場跡として語り継がれています。
大山守の遺骸を引き上げた時、和紀郎子が歌います。そして、大山守命の遺骸を奈良山に葬りました。
仁徳天皇が応神天皇の後を継承するまでの、一つの説話であり、この内乱によって有力な皇子が一人消えたことで、仁徳天皇の即位が一歩近づいたことになります。そうした意味でも和紀郎子をも含めて、大山守命はピエロに見えなくもありませんが、こうした逸話が細部まで残り、その陵墓も治定されていることを考えると、何やら裏がありそうです。
【関連キャラ】
・和紀郎子 - 応神皇太子は、貴公子然として朗らかな皇子
・仁徳天皇 - 古事記中盤の主役はやはり女好きの御仁
・応神天皇 - 自身の登場シーンがあまり多くない天皇
【関連記事】
・自分の子の中で、兄を疎んじ、弟を愛でる応神天皇 理想の女をゲットして有頂天
・応神天皇崩御、すぐ兄弟間で戦争へ あの手この手を講じて、勝利は誰の手に?
・那羅山墓 - 反逆者の墓が残るという日本の特異性について考えてみる
・衝角付冑・短甲 - 応神崩御後の反逆、大山守命も着けいていたかもしれない、鎧
・【古事記紀行2014】(10)反逆し水死し、遺骸引き揚げられて埋葬された大山守命の墓
【一言切り取り】
・大山守命「兄の方がカワイっしょ!」
・大山守命「あそこの猪、殺したいんだよね」
・大山守命「そこの船頭、助けてくれないか~」
【収録歌】
・大山守命、反逆に失敗して川に流された時に助けてくれと歌った歌
【古事記の神・人辞典】
・大山守命 - 陵墓情報も
【関連カテゴリ】
・13.応神天皇
【外部ページ】
・大山守命 - Twitter
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・大山守命 - Facebook
・ぶっちゃけ古事記のキャラ図鑑の索引

父は第十五代応神天皇。異母弟に、皇后の子である大雀命(後の第十六代仁徳天皇)、父の愛妃ヤカワエの子である和紀郎子などがいる。
古事記での最初の登場は、応神天皇による、大雀命とともに受けた問答。応神天皇が、子の中で誰が一番可愛いかという質問に対して、自分のことを念頭に「兄が可愛い」と回答。
一方の大雀命は、父が愛妃の子である和紀郎子を押し上げたいという思いがあることを察して、「弟が可愛い。兄はもう成長して心配ないが、弟はそうではないから」と回答。
この問答で、応神天皇は大雀命が正しいと断を下し、和紀郎子を皇太子にすると宣言。加えて、大雀命は重宝される。一方、この問答によって失点してしまったのが大山守命。
気が収まらない大山守命は、応神天皇崩御後、すぐに皇太子・和紀郎子に反逆します。この動きを察知した大雀命は、和紀郎子に密告、和紀郎子VS大山守命の戦いを高みの見物と決め込んだようです。腹黒~
宇治川まで進軍してきた大山守命は、そこにいた船頭に声をかけ、単身渡河して和紀郎子の本陣を目指そうとします。その船頭こそ、和紀郎子の変装でした。
ここで、大山守命と船頭(和紀郎子の変装)の猪を殺せるかどうかの問答があり、船が川の中央に来た時、船頭に化けた和紀郎子が船を傾けて、大山守命を川へ突き落としました。
さあ、溺れます。ここで大山守命、命乞いの歌を歌います。
しかしそれは和紀郎子によって無視され、逆に伏せていた兵に溺れている大山守命へ矢を射かけるよう命じ、大山守命はたくさんの矢が突き刺さって、水の底に沈みました。
和紀郎子側が、鉤で水底を攫うと、大山守命が着物の中に着込んでいた鎧に当たって、カランカランと鳴ったので、その地が訶和羅之前(かわらのさき)と言われるようになり、現在も京都府京田辺市に伽和羅古戦場跡として語り継がれています。
大山守の遺骸を引き上げた時、和紀郎子が歌います。そして、大山守命の遺骸を奈良山に葬りました。
仁徳天皇が応神天皇の後を継承するまでの、一つの説話であり、この内乱によって有力な皇子が一人消えたことで、仁徳天皇の即位が一歩近づいたことになります。そうした意味でも和紀郎子をも含めて、大山守命はピエロに見えなくもありませんが、こうした逸話が細部まで残り、その陵墓も治定されていることを考えると、何やら裏がありそうです。
【関連キャラ】
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・仁徳天皇 - 古事記中盤の主役はやはり女好きの御仁
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【一言切り取り】
・大山守命「兄の方がカワイっしょ!」
・大山守命「あそこの猪、殺したいんだよね」
・大山守命「そこの船頭、助けてくれないか~」
【収録歌】
・大山守命、反逆に失敗して川に流された時に助けてくれと歌った歌
【古事記の神・人辞典】
・大山守命 - 陵墓情報も
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・13.応神天皇
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