【キャラ設定】タイトルほど、女好き、というよりは権力志向だったのかと。説話の意図は分かるが、何か不自然さが残る展開。古事記に数多く敗者は存在しますが、この人は間違いなくその一人。本当はどうだったのか、是非インタビューしてみたい人の一人。
■志毘臣(しびのおみ=シビノオミ)
平群臣の祖。古事記にはそれ以上の詳細は触れられていないが、系譜をたどれば、建内宿禰の子、平群都久が直接の祖先になりそう。ただし、これは後の創作(蘇我氏への対抗のため、先祖を蘇我氏と同じくさせた、家系図コントロール)との説も。
古事記ではいきなり登場。播磨からようやく戻れた貴種・袁祁王(後の第二十三代顕宗天皇)が、都に戻って見初めたウダノオサの娘オウオを、袁祁王の目の前で手を握って、袁祁王を挑発。
ここから歌垣のやり取りが始まります。以下、その歌の気分訳。
志毘臣「あんたの宮殿、傾いているよ~」
袁祁王「大工の不手際だろうね~」
志毘臣「あんたに徳がないんじゃね?」
袁祁王「うざいマグロが騒いでいるね、妻がそこで遊んでいるね」
志毘臣「……あんたはもう終わりじゃね? 修復不可」
袁祁王「うざいマグロは結局突かれて死ぬよ~」
志毘はシビ、マグロのことです。奪われた娘もオウオと魚に関係しています。仁徳天皇とメドリ、ハヤブサの三角関係では「鳥」でしたが、ここでは「魚」です。
このやり取り、結局袁祁王の方が一枚上手で、志毘臣がやり込められた感はありますが、この歌垣の後に先に動いたのは袁祁王。歌垣でうまくいっていたのに、なぜ先手を打たなければならないのか。むしろ歌垣での意趣返しに志毘臣の方が先に動きそうなのに。。
ともかく、兄の意祁王(後の第二十四代仁賢天皇)と相談して、袁祁王「宮廷の人たちは、朝には天皇のところに来て、昼には志毘臣のところに集まっている。今ちょうど志毘臣は寝ている頃。今からちょっと、殺っとく?」と持ちかけます。
寝込みを襲われた志毘臣、あえなく滅亡してしまいます。
日本書紀にも「鮪」として登場する志毘臣。登場人物やストーリーは全く違うものですが、やはり天皇家に反発する有力豪族として描かれ、そして滅ぼされます。
皇位継承者不在という厳しい状況が続き、天皇家も苦しかったこともあったと思いますが、平群氏の力が一時、いかに強かったかを物語る説話だといえます。それが志毘臣という一人の人物に仮託されたのでしょう。
【関連キャラ】
・顕宗天皇 - 父の復讐に燃え、雄略陵破壊を目論む激情家
・仁賢天皇 - 引っ込み思案も冷静な頭脳で弟の汚名を救う
【関連記事】
・女にちょっかい出された皇子がキレる 横柄な家臣を急襲して滅亡させる
【一言切り取り】
・志毘臣「おっ、イイ女 もらっちゃお」
・志毘臣「オマエの家、傾いてね?」
・志毘臣「オマエ、もうおしまいじゃね?」
【収録歌】
・志毘臣、歌垣で顕宗天皇が見初めたオンナにちょっかい出そうと歌った歌
・志毘臣、歌垣で顕宗天皇にもっと露骨に叛意を示した歌
・志毘臣、歌垣で顕宗天皇をもっと強烈に批判した歌
【古事記の神・人辞典】
・志毘臣
【関連カテゴリ】
・19.清寧天皇
【外部ページ】
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・ぶっちゃけ古事記のキャラ図鑑の索引

平群臣の祖。古事記にはそれ以上の詳細は触れられていないが、系譜をたどれば、建内宿禰の子、平群都久が直接の祖先になりそう。ただし、これは後の創作(蘇我氏への対抗のため、先祖を蘇我氏と同じくさせた、家系図コントロール)との説も。
古事記ではいきなり登場。播磨からようやく戻れた貴種・袁祁王(後の第二十三代顕宗天皇)が、都に戻って見初めたウダノオサの娘オウオを、袁祁王の目の前で手を握って、袁祁王を挑発。
ここから歌垣のやり取りが始まります。以下、その歌の気分訳。
志毘臣「あんたの宮殿、傾いているよ~」
袁祁王「大工の不手際だろうね~」
志毘臣「あんたに徳がないんじゃね?」
袁祁王「うざいマグロが騒いでいるね、妻がそこで遊んでいるね」
志毘臣「……あんたはもう終わりじゃね? 修復不可」
袁祁王「うざいマグロは結局突かれて死ぬよ~」
志毘はシビ、マグロのことです。奪われた娘もオウオと魚に関係しています。仁徳天皇とメドリ、ハヤブサの三角関係では「鳥」でしたが、ここでは「魚」です。
このやり取り、結局袁祁王の方が一枚上手で、志毘臣がやり込められた感はありますが、この歌垣の後に先に動いたのは袁祁王。歌垣でうまくいっていたのに、なぜ先手を打たなければならないのか。むしろ歌垣での意趣返しに志毘臣の方が先に動きそうなのに。。
ともかく、兄の意祁王(後の第二十四代仁賢天皇)と相談して、袁祁王「宮廷の人たちは、朝には天皇のところに来て、昼には志毘臣のところに集まっている。今ちょうど志毘臣は寝ている頃。今からちょっと、殺っとく?」と持ちかけます。
寝込みを襲われた志毘臣、あえなく滅亡してしまいます。
日本書紀にも「鮪」として登場する志毘臣。登場人物やストーリーは全く違うものですが、やはり天皇家に反発する有力豪族として描かれ、そして滅ぼされます。
皇位継承者不在という厳しい状況が続き、天皇家も苦しかったこともあったと思いますが、平群氏の力が一時、いかに強かったかを物語る説話だといえます。それが志毘臣という一人の人物に仮託されたのでしょう。
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・仁賢天皇 - 引っ込み思案も冷静な頭脳で弟の汚名を救う
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・志毘臣「おっ、イイ女 もらっちゃお」
・志毘臣「オマエの家、傾いてね?」
・志毘臣「オマエ、もうおしまいじゃね?」
【収録歌】
・志毘臣、歌垣で顕宗天皇が見初めたオンナにちょっかい出そうと歌った歌
・志毘臣、歌垣で顕宗天皇にもっと露骨に叛意を示した歌
・志毘臣、歌垣で顕宗天皇をもっと強烈に批判した歌
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