意祁王(おけのみこ=仁賢天皇(オケノミコ))縦480px
【キャラ設定】弟の動、兄の静。しかし非常に沈着冷静で、支えられているのは弟の方という。このようなお互いに助け合っている兄弟像は、古事記には唯一の事例かもしれません。

意祁王(おけのみこ=仁賢天皇(オケノミコ))縦500px■意祁王(おけのみこ=仁賢天皇(オケノミコ))

父は、第十七代履中天皇の皇子イチノベノオシハ。弟に袁祁王(後の第二十三代顕宗天皇)がいる(天皇家の系譜)。

古事記での登場は、父イチノベノオシハが第二十一代雄略天皇によって惨殺され、弟とともに逃避行を始めるところから。その途中、食糧泥棒に遭ったり、船を駆ったりで、播磨の国に達し、弟とともに播磨の国の住人の館で馬飼、牛飼に身をやつす。

暴君・雄略天皇が崩御し兄弟二人の脅威は去ったころ、播磨の国の長官がその館の新築祝いに来た時、余興として歌って踊れと言われ、兄として最初に無難に歌って踊った後、弟が、オレのじいちゃんは履中天皇~、オレらはイチノベノオシハの子だぞ~、と歌い、臨席者を驚かす。

早速都に使いが飛び、皇位継承が難しくなっていた都は大喜びでこの兄弟二人を呼び寄せる。都に上って、弟が結婚相手としてオウオという娘を見初めたが、臣下の志毘臣に奪われそうになり、弟に協力して、志毘臣を急襲して滅ぼす。

皇位継承で、弟と譲り合うが、「オマエの歌のおかげで都に帰れたから、オマエが皇位を継げ」と言って身を引く。弟が即位して顕宗天皇。

顕宗天皇が父の殺害犯・雄略天皇の陵墓の破壊を企画するが、「私が行って実施してきます」と陵墓に向かうものの、陵墓の傍らの土を少し掘った程度で復命。

あまりにも短時間で戻ってきた兄を訝しく思った顕宗天皇から、「どのように破壊してきました?」と聞かれたので、その通り答えたら、顕宗天皇「それは破壊とは言えないじゃん」。

そこで、「確かに雄略天皇は父の仇に違いありませんが、元天皇であり、我らの叔父。その陵墓を破壊したら後世の誹りは免れない」と諭す。顕宗天皇も納得。機転で、日本史上唯一歴代天皇陵を公的に発令した天皇、という汚名から弟を免れさせる。

弟の積極的な歌で都に戻れた負い目があったのか、皇位も譲るが、弟の愚挙を機転で躱すあたりに見られる冷静な賢明さがウリ。顕宗天皇の崩御後、自身が即位して仁賢天皇となる。

弟から兄への皇位継承の陰にドラマあり。弟・顕宗天皇が数首の歌を古事記に残しているのに比べ、兄の方はゼロ。静の兄、動の弟はこんなところにも表れています。

【関連キャラ】
顕宗天皇 - 父の復讐に燃え、雄略陵破壊を目論む激情家
志毘臣 - ふらっと都に帰った皇子のオンナを奪って挑発
雄略天皇 - 古事記後半の主役は、傍若無人な暴君

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【一言切り取り】
仁賢天皇「今は、耐えよう」
仁賢天皇「マジで? やっぱ短気だね」
仁賢天皇「後で何言われるか、わかったもんじゃないぜ」

【古事記の神・人辞典】
仁賢天皇 - 皇居や陵墓の情報も

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20.顕宗天皇

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