地下鉄「飯田橋」にほど近い、外堀通り、早稲田通り、目白通りに囲まれた一角に鎮座する東京大神宮。明治13年(1880年)4月17日の創建です。
当初は、明治政府や伊勢の神宮とのかかわりが極めて強く、その中から誕生した経緯があり、一般的に当初鎮座した地名にちなんで日比谷大神宮と呼ばれていました。
大正12年(1923年)の関東大震災で社殿が焼失し、昭和3年(1928年)、現在地に再建・遷座して、以降は飯田橋大神宮と呼ばれるようになったとのことです。
戦前は神社という形ではなく、戦後になって、現在の名称として定着、「東京のお伊勢さん」として親しまれるようになりました。
何よりも有名なのが、日本で初めての神前結婚式が行われたことです。
明治33年(1900年)5月10日、明治天皇第三皇子の明宮嘉仁親王(後の大正天皇)と九條公爵家令嬢の九條節子(後の貞明皇后)との御結婚の儀が宮中三殿において執り行われましたが、この結婚の儀を基本にして、当社では神前結婚の儀式を創設、翌明治34年(1901年)3月3日、模擬結婚式を開催したことに由来します。
ご祭神は天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)、豊受大神(とようけのおおかみ)が主祭神、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)、高御産巣日神(たかみむすびのかみ)、神産巣日神(かみむすびのかみ)、倭比賣命(やまとひめのみこと)を相殿に祀ります。
すべて、古事記に登場する神です。
つまり当社は、伊勢の神宮と同じように、内宮のご祭神であるアマテラスと、外宮のご祭神であるトヨウケビメノカミの分霊を奉斎し、いわゆる造化の三神(アメノミナカヌシノカミ、タカミムスヒノカミ、カミムスヒノカミ)と、伊勢とかかわりの深い第十一代垂仁天皇の皇女であるヤマトヒメを祀っている、という形になります。
特に造化の三神を三柱ともに祀っているのは珍しい形かもしれません。古事記において、1番目、2番目、3番目に誕生する神で、日本の天地開闢を象徴している神々です。
アメノミナカヌシノカミは古事記には神名だけ登場する神ですが、タカミムスヒノカミは高天原のアドバイザーとしてアマテラスとほとんど一緒におり、やはり高天原の知恵袋であるオモイカネの父であって、天孫ニニギにとっては、母方の祖父になります。
一方のカミムスヒノカミは、スサノヲ、オオクニヌシなど国つ神系と密接なつながりのある神で、オオクニヌシとともに葦原の中つ国の国造りに励んだスクナビコナの親に当たります。オオクニヌシが国譲りした後、現在の出雲大社に隠居する際には、オオクニヌシと同体化するような描写もあります。
当社では造化の三神について、「天地万物の生成化育つまり結ひの働きを司る」と定義、日本初の神前結婚式とともに、縁結びをイメージさせ、「良縁を願う人々の御参拝も年々多くなって」いるとのこと。
確かに、女性の参拝客が多く、みな熱心に拝み、おみくじを引いてその内容を読み込んでいる参拝者の姿が印象的でした。
なお、境内社として飯富稲荷神社があります。当社の前身の日比谷大神宮創建時に奉斎され、今の飯田橋の地に移った時も同時に遷座したとのこと。ご祭神は稲荷大神(いなりのおおかみ)と、大地主大神(おおとこぬしのおおかみ)。
稲荷大神はおそらくは食物女神(ウカノミタマノカミ、トヨウケビメノカミ、ウケモチ、オオゲツヒメなど)のどれか、あるいはそれらの習合だと思われます。大地主大神は、日本全国土を守護する国魂神(くにたまのかみ)と同体とされる神です。
当社では、衣食住と商売繁盛の守護神(稲荷大神)と、土地の守護神(大地主大神)として祀られています。
■位置
・所在地 東京都千代田区富士見二丁目4番1号
■交通
・JR中央総武線・地下鉄各線飯田橋駅 地下鉄各線九段下駅
・首都高池袋線西神田出口(下り方向)・飯田橋出口(上り方向)
■探訪日:2014年9月24日
【参考サイト】
・東京大神宮 - 公式サイト
・東京大神宮 - Wikipedia
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・【古事記の傾向と対策】食物神考 - 五穀の起源の古事記版と日本書紀版を比べてみる
当初は、明治政府や伊勢の神宮とのかかわりが極めて強く、その中から誕生した経緯があり、一般的に当初鎮座した地名にちなんで日比谷大神宮と呼ばれていました。
大正12年(1923年)の関東大震災で社殿が焼失し、昭和3年(1928年)、現在地に再建・遷座して、以降は飯田橋大神宮と呼ばれるようになったとのことです。
戦前は神社という形ではなく、戦後になって、現在の名称として定着、「東京のお伊勢さん」として親しまれるようになりました。
何よりも有名なのが、日本で初めての神前結婚式が行われたことです。
明治33年(1900年)5月10日、明治天皇第三皇子の明宮嘉仁親王(後の大正天皇)と九條公爵家令嬢の九條節子(後の貞明皇后)との御結婚の儀が宮中三殿において執り行われましたが、この結婚の儀を基本にして、当社では神前結婚の儀式を創設、翌明治34年(1901年)3月3日、模擬結婚式を開催したことに由来します。
ご祭神は天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)、豊受大神(とようけのおおかみ)が主祭神、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)、高御産巣日神(たかみむすびのかみ)、神産巣日神(かみむすびのかみ)、倭比賣命(やまとひめのみこと)を相殿に祀ります。
すべて、古事記に登場する神です。
つまり当社は、伊勢の神宮と同じように、内宮のご祭神であるアマテラスと、外宮のご祭神であるトヨウケビメノカミの分霊を奉斎し、いわゆる造化の三神(アメノミナカヌシノカミ、タカミムスヒノカミ、カミムスヒノカミ)と、伊勢とかかわりの深い第十一代垂仁天皇の皇女であるヤマトヒメを祀っている、という形になります。
特に造化の三神を三柱ともに祀っているのは珍しい形かもしれません。古事記において、1番目、2番目、3番目に誕生する神で、日本の天地開闢を象徴している神々です。
アメノミナカヌシノカミは古事記には神名だけ登場する神ですが、タカミムスヒノカミは高天原のアドバイザーとしてアマテラスとほとんど一緒におり、やはり高天原の知恵袋であるオモイカネの父であって、天孫ニニギにとっては、母方の祖父になります。
一方のカミムスヒノカミは、スサノヲ、オオクニヌシなど国つ神系と密接なつながりのある神で、オオクニヌシとともに葦原の中つ国の国造りに励んだスクナビコナの親に当たります。オオクニヌシが国譲りした後、現在の出雲大社に隠居する際には、オオクニヌシと同体化するような描写もあります。
当社では造化の三神について、「天地万物の生成化育つまり結ひの働きを司る」と定義、日本初の神前結婚式とともに、縁結びをイメージさせ、「良縁を願う人々の御参拝も年々多くなって」いるとのこと。
確かに、女性の参拝客が多く、みな熱心に拝み、おみくじを引いてその内容を読み込んでいる参拝者の姿が印象的でした。
なお、境内社として飯富稲荷神社があります。当社の前身の日比谷大神宮創建時に奉斎され、今の飯田橋の地に移った時も同時に遷座したとのこと。ご祭神は稲荷大神(いなりのおおかみ)と、大地主大神(おおとこぬしのおおかみ)。
稲荷大神はおそらくは食物女神(ウカノミタマノカミ、トヨウケビメノカミ、ウケモチ、オオゲツヒメなど)のどれか、あるいはそれらの習合だと思われます。大地主大神は、日本全国土を守護する国魂神(くにたまのかみ)と同体とされる神です。
当社では、衣食住と商売繁盛の守護神(稲荷大神)と、土地の守護神(大地主大神)として祀られています。
■位置
・所在地 東京都千代田区富士見二丁目4番1号
■交通
・JR中央総武線・地下鉄各線飯田橋駅 地下鉄各線九段下駅
・首都高池袋線西神田出口(下り方向)・飯田橋出口(上り方向)
■探訪日:2014年9月24日
【参考サイト】
・東京大神宮 - 公式サイト
・東京大神宮 - Wikipedia
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