どくしん。ひとりがみ。性別を超越している、という意味。

古事記において、天地開闢で、様々な神が生まれる際、特に、別天神(ことあまつかみ、別天津神とも)の五柱と、別天津神に次いで生まれる神世七代の一代目と二代目を指して、古事記では使用されている。つまり、計七柱。

別天津神の五柱は、造化の三神であるアメノミナカヌシノカミタカミムスヒノカミカミムスヒノカミのほか、ウマシアシカビヒコヂノカミアメノトコタチノカミ

しかし、古事記では「隠身也」(身を隠す)とされているこれらの神だが、この中でアメノミナカヌシノカミ、ウマシアシカビヒコヂノカミとアメノトコタチノカミは確かに古事記で登場しなくなるものの、タカミムスヒノカミ、カミムスヒノカミはその後もしばしば登場し、それぞれに子供がいる。

タカミムスヒノカミには、高天原の知恵袋オモイカネや、ニニギの母であるヨロヅハタトヨアキツシヒメが、カミムスヒノカミには、オオクニヌシとともに国造りを進めるスクナビコナがそれぞれ子として登場しており、性別を含む極めて確かな人間性を有しているといえる。

ただし、タカミムスヒノカミ、カミムスヒノカミも天地開闢の段において、古事記においては「隠身也」とはされている。

また、別天神(ことあまつかみ、別天津神とも)の後に誕生する神で、神世七代の最初に二柱であるクニノトコタチノカミトヨクモノノカミも独神と記述され、やはり「隠身也」とされ、実際にその後古事記には登場してこない。

【主な登場場面】
天地開闢 「造化の三神」と「神世七代」 イザナギとイザナミの誕生