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【キャラ設定】熊襲建は、弟の方にセリフがあり、キャラが見えやすいところがありますが、こちらはセリフが一つもなく。しかし、状況を想像してみると、よほどのお人よしだったのでしょうか。熊襲建の時にも発揮したヤマトタケルの演技力のすごさ、かもしれませんが。

出雲建(いずもたける=イズモタケル)縦500px■出雲建(いずもたける=イズモタケル)

出雲地方の豪族か。第十二代景行天皇の御世、大きな勢力を誇っていたと思われる。

ヤマトタケルが熊襲を討伐した帰途、出雲建もついでに討伐しちゃおうと考え、出雲に寄った。

しかし、正攻法だと攻略は難しそうなので、ヤマトタケル一計を案じる。偽物の、抜けない刀を用意して、一方で、出雲建とは友人となり、友情を育みます。

心を許して置いて、一緒に水浴び。お互い服を脱ぎ、剣を置き、水浴びして、ヤマトタケルが先に上がります。その際、「剣を交換しよう」と持ち掛けます。

相手の返事を待つ間もなく、ヤマトタケルは出雲健の本物の剣を奪い取り、出雲建はヤマトタケルが用意した抜けない偽物の剣をつかまされます。

そうして、ヤマトタケル何食わぬ顔で「刀合わせしよう」と持ち掛け、出雲建が偽物の剣でもたついている隙を付いて、出雲建を斬り殺してしまいます。

その後ヤマトタケルが歌った歌もえげつない。「騙されて、カワイソ」みたいな、自分で騙しておいて、相手を憐れんでって。

こうして、出雲建、古事記登場後一つのセリフもなく、古事記を去ります。

熊襲には男の娘で騙し討ちの暗殺、出雲には偽の刀で騙し討ちの暗殺。ヤマトタケルは古事記の英雄の一人には違いないですが、兄の惨殺も含め、、少し爽やかさとは程遠い、本当は陰湿な皇子なのかもしれません。

あるいは大和政権が支配を固める過程の、暗い負の部分を一身に投影されたのがヤマトタケルなのかもしれません。

とにかく、出雲健は、ヤマトタケルの卑怯さが強調されるような説話に登場する、可哀想な、しかし簡単に騙されるところから見て、少しノー天気そうな、そんな男性。ホントにイイ奴だったのでしょう。

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【パワースポット】
西谷墳墓群 - “ついで”? に討伐された出雲建、出雲王家墓に源あり

【一言切り取り】
出雲建「やあ、これは皇子様、どぞどぞ」
出雲建「水浴び? うん、イイね。いこいこ」
出雲建「ちょっ、待って。この剣…」

【古事記の神・人辞典】
出雲建

【関連カテゴリ】
11.ヤマトタケル

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