【キャラ設定】古事記には「オオクニヌシに靡いて、三年経っても報告をよこさなかった」とだけ記されているが、現在まで靡き続けている、主体を入れ替えれば、心酔し続けている、その意志の力は敬服に値します。
■天之菩卑能命(あめのほひのみこと=アメノホヒ)
天菩比命、天菩比神とも。
アマテラスの息子の一人。子にタケヒラドリがいる。
アマテラスとスサノヲの誓約で、スサノヲがアマテラスの「八尺の勾玉の五百箇のみすまるの珠」をかみ砕き、吹き出した息の霧から、右のみづらに巻いている玉からから生まれた男神。
同時に生まれた兄に、アマテラス直系で、ニニギの父となるアメノオシホミミがいる。
母アマテラスが「葦原の中つ国、イイ感じに栄えているから、今後息子の治める国にすっから」と宣言、兄のアメノオシホミミが降臨に指名されたが、アメノオシホミミが、「えっ~、あそこ行くの? ちょっと騒がしくね? 勘弁してほしいな~、もう」と尻込みしたために、「じゃあ、まず平定しよう」となって国譲り事業が始まる。
さて、誰を派遣しよう(葦原の中つ国を平らげよう)という時に、高天原の知恵袋オモイカネが最初に推薦したのが、このアメノホヒ。
アメノホヒ、実際に葦原の中つ国に行き、そこの王オオクニヌシと談判します。しかし、「乃媚附大国主神、至于三年、不復奏」。
つまりオオクニヌシに靡いて、三年経っても報告をよこさなかった、ということになります。古事記ではこの記述だけ。
オモイカネの国譲り建議第一の失敗、となります。高天原では、オモイカネが第二の建議「アメノワカヒコの派遣」を行うことになります。これも失敗するのですが。
さて、古事記の記述はあまりにも簡素なので、ここで上のことを葦原の中つ国の方から見てみると……
いきなりアマテラスの息子というアメノホヒが来て、「かーちゃんが息子に治めさせるから国差し出せって、どうする?」とか言われたオオクニヌシ。まさに青天の霹靂。
オオクニヌシ、恐らくは懇々とアメノホヒを諭します。「夜這い繰り返して、じゃなくて、国を拡張して、国造りして固めて、どんだけ苦労したか」と。
「ふん、ふん」と聞いていたアメノホヒ。ついにオオクニヌシに心酔します。「いつまでも、どこまでもついて参ります!」
ここに、アマテラスの息子が高天原を裏切る、という異常事態が発生する訳です。
国譲りをさらっと読めば、こんな簡単に国を譲っちゃったの? という感じではありますが、そこはどっこい、何かと苦労が多かったはず。アメノホヒの、高天原から見れば豹変、オオクニヌシ側から見れば心酔、は、そうした事情を垣間見させてくれます。
しかし、次いで派遣されたアメノワカヒコも、高天原を裏切る(こちらは、オオクニヌシへの心酔ではなく、オオクニヌシの娘であるシタテルに一目惚れ、即ゴール)のですが、最終的に高天原に暗殺(タカミムスヒノカミによる誓約)されます。
アメノワカヒコ、父の名は伝わっていますが、系譜が不明確。その分、殺りやすかったのかもしれませんが、アメノホヒには暗殺の手が伸びていないところなど、アマテラスの息子という親の七光りがあったかもしれません。
ともかく、葦原の中つ国の住人になったアメノホヒ。国譲り後も宣言通りオオクニヌシ一筋は変わらず、結局、子のタケヒラドリは「出雲国造」などの祖と古事記にも明記されます。ここから今の出雲大社祭祀者の千家家などに連なっているわけです。
・アメノオシホミミ-現在の皇室
・アメノホヒ-現在の出雲大社祭祀者
この兄弟の血は今に連なり、2014年10月には、皇室の高円宮典子さまと出雲大社禰宜の千家国麿さんの結婚という慶事に結び付きます。
【関連キャラ】
・アマテラス - 「譲って、ください…」ですべて始まる
・スサノヲ - 荒ぶる神からちょいワル親父への転身
・オオクニヌシ - 国つ神のドンは破天荒な女好き
・アメノオシホミミ - どうしても降臨したくなかったニニギの父
・オモイカネ - 高天原の知恵袋は天然おじいちゃん?
・アメノワカヒコ - シタテルに一目惚れ、高天原を裏切る
【関連記事】
・アマテラス「今後、あたしの息子が治める国にすっから」で始まった国譲り
・高円宮典子さまと千家国麿さんのご結婚、古事記でひも解く皇族と千家家と出雲大社
【一言切り取り】
・アメノホヒ「オレ? まあ、行ってきま」
・アメノホヒ「かーちゃんが言ってるんだけど」
・アメノホヒ「いつまでもついて行きます!」
【古事記の神・人辞典】
・アメノホヒ
【関連カテゴリ】
・5.葦原中国平定
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■天之菩卑能命(あめのほひのみこと=アメノホヒ)
天菩比命、天菩比神とも。
アマテラスの息子の一人。子にタケヒラドリがいる。
アマテラスとスサノヲの誓約で、スサノヲがアマテラスの「八尺の勾玉の五百箇のみすまるの珠」をかみ砕き、吹き出した息の霧から、右のみづらに巻いている玉からから生まれた男神。
同時に生まれた兄に、アマテラス直系で、ニニギの父となるアメノオシホミミがいる。
母アマテラスが「葦原の中つ国、イイ感じに栄えているから、今後息子の治める国にすっから」と宣言、兄のアメノオシホミミが降臨に指名されたが、アメノオシホミミが、「えっ~、あそこ行くの? ちょっと騒がしくね? 勘弁してほしいな~、もう」と尻込みしたために、「じゃあ、まず平定しよう」となって国譲り事業が始まる。
さて、誰を派遣しよう(葦原の中つ国を平らげよう)という時に、高天原の知恵袋オモイカネが最初に推薦したのが、このアメノホヒ。
アメノホヒ、実際に葦原の中つ国に行き、そこの王オオクニヌシと談判します。しかし、「乃媚附大国主神、至于三年、不復奏」。
つまりオオクニヌシに靡いて、三年経っても報告をよこさなかった、ということになります。古事記ではこの記述だけ。
オモイカネの国譲り建議第一の失敗、となります。高天原では、オモイカネが第二の建議「アメノワカヒコの派遣」を行うことになります。これも失敗するのですが。
さて、古事記の記述はあまりにも簡素なので、ここで上のことを葦原の中つ国の方から見てみると……
いきなりアマテラスの息子というアメノホヒが来て、「かーちゃんが息子に治めさせるから国差し出せって、どうする?」とか言われたオオクニヌシ。まさに青天の霹靂。
オオクニヌシ、恐らくは懇々とアメノホヒを諭します。「夜這い繰り返して、じゃなくて、国を拡張して、国造りして固めて、どんだけ苦労したか」と。
「ふん、ふん」と聞いていたアメノホヒ。ついにオオクニヌシに心酔します。「いつまでも、どこまでもついて参ります!」
ここに、アマテラスの息子が高天原を裏切る、という異常事態が発生する訳です。
国譲りをさらっと読めば、こんな簡単に国を譲っちゃったの? という感じではありますが、そこはどっこい、何かと苦労が多かったはず。アメノホヒの、高天原から見れば豹変、オオクニヌシ側から見れば心酔、は、そうした事情を垣間見させてくれます。
しかし、次いで派遣されたアメノワカヒコも、高天原を裏切る(こちらは、オオクニヌシへの心酔ではなく、オオクニヌシの娘であるシタテルに一目惚れ、即ゴール)のですが、最終的に高天原に暗殺(タカミムスヒノカミによる誓約)されます。
アメノワカヒコ、父の名は伝わっていますが、系譜が不明確。その分、殺りやすかったのかもしれませんが、アメノホヒには暗殺の手が伸びていないところなど、アマテラスの息子という親の七光りがあったかもしれません。
ともかく、葦原の中つ国の住人になったアメノホヒ。国譲り後も宣言通りオオクニヌシ一筋は変わらず、結局、子のタケヒラドリは「出雲国造」などの祖と古事記にも明記されます。ここから今の出雲大社祭祀者の千家家などに連なっているわけです。
・アメノオシホミミ-現在の皇室
・アメノホヒ-現在の出雲大社祭祀者
この兄弟の血は今に連なり、2014年10月には、皇室の高円宮典子さまと出雲大社禰宜の千家国麿さんの結婚という慶事に結び付きます。
【関連キャラ】
・アマテラス - 「譲って、ください…」ですべて始まる
・スサノヲ - 荒ぶる神からちょいワル親父への転身
・オオクニヌシ - 国つ神のドンは破天荒な女好き
・アメノオシホミミ - どうしても降臨したくなかったニニギの父
・オモイカネ - 高天原の知恵袋は天然おじいちゃん?
・アメノワカヒコ - シタテルに一目惚れ、高天原を裏切る
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【一言切り取り】
・アメノホヒ「オレ? まあ、行ってきま」
・アメノホヒ「かーちゃんが言ってるんだけど」
・アメノホヒ「いつまでもついて行きます!」
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