志毘臣(しびのおみ=シビノオミ)

『古事記』に記載のある男性。

平群臣の祖。『古事記』には記載がないが、直接の祖は平群都久になるか。

第21代雄略天皇に父・イチノベノオシハを惨殺された袁祁王(後の第23代顕宗天皇)は、兄の意祁王(後の第24代仁賢天皇)とともに播磨まで逃走し、身を隠していたが、皇位継承者が途絶えた後、播磨に隠れていたこの二人の皇子が発見され、都に戻される。

その時の歌垣で、袁祁王が結婚した娘オウオの手を取り、袁祁王を挑発したのが志毘。

志毘は袁祁王と歌垣で舌戦を繰り返す。皇子に対して、特にこれから皇位を継ぐと考えられていた人に対して、かなり悪質と思われる言葉をも投げかける。

歌垣の後、兄・意祁王の協力を得た袁祁王により、館を急襲され、殺害される。

当時実際にいた権勢ある臣下だったと思われ、振ってわいたように発見された二人の皇子の皇位継承に反対する勢力として象徴されているようだ。

こののち、兄弟による皇位継承の譲り合いを経て、都に戻るきっかけを作った歌を歌ったのが弟の袁祁王だったために、これが即位。顕宗天皇となる。

【主な登場場面】
女にちょっかい出された皇子がキレる 横柄な家臣を急襲して滅亡させる

【収録歌】
志毘臣、歌垣で顕宗天皇が見初めたオンナにちょっかい出した歌
志毘臣、歌垣で顕宗天皇にもっと露骨に叛意を示した歌
志毘臣、歌垣で顕宗天皇をもっと強烈に批判した歌

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【関連キャラ】
志毘臣 - ふらっと都に帰った皇子のオンナを奪って挑発