伊勢国之三重婇(いせのくにのみえのうねめ)

『古事記』に記載のある女性。

第21代雄略天皇が長谷で宴会を開いた時、雄略天皇に盃を献上しようとしたが、その中に落ち葉が入ってしまう。その落ち葉に気づかないまま、雄略天皇に盃を献上してしまい、雄略天皇に殴られる。

さらに雄略天皇は剣を取り出し、これを斬り殺そうとするが、「ちょっとお待ちください~」と言って、弁明の歌を歌う。

この歌、『古事記』に収録された歌の中では一二を争う長歌。結果的に、この歌に感心した雄略天皇に赦される。

しかし、この話、ヲドヒメの嫁取りと、ヲドヒメへの愛の歌の間に挟まっており、ヲドヒメ=三重の采女という構図を示唆させるが、ヲドヒメは春日の人であり、伊勢・三重の人ではなく。

何はともあれ、この混乱を収めて、さあさあ仕切り直し、と歌ったのが、雄略天皇の皇后ワカクサカ

調子に乗った雄略天皇は、ワカクサカもいる中で、手に入れたばかりと思われる妃のヲドヒメに対して手コキを強要する歌を送る。

【主な登場場面】
盃に葉っぱが入ってしまったので、その盃を献上した女を殺そうとする雄略天皇

【収録歌】
三重の采女、雄略天皇への粗相で殺されそうになった時に歌った歌

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