境之黒日子王(さかいのくろひこのみこ)

『古事記』に記載のある男性皇族。

父は第19代允恭天皇、母はオオナカツヒメ。第三子。

同母兄にカルミコ、同母姉にナガタノオオイラツメ、同母弟妹に第20代安康天皇カルノシロヒコ、第21代雄略天皇(大長谷命)、タチバナノオオイラツメサカミノイラツメがいる。

七歳のマヨワが安康天皇を殺害するという前代未聞の事件が発生。これを受けて、弟の大長谷命から、「兄者、どうする?」と聞かれ、「どーでもいいんじゃね?」的な態度をとったために、大長谷命の逆鱗に触れ、襟を引っ張られて引き立てられて、剣で殺された。

弟のシロヒコも同じような態度をとったために、やはりすぐ後に大長谷命によって殺された。

大長谷命にとっては皇位継承という意味で、主要な敵となる二人の実兄を、天皇暗殺という大混乱のどさくさに紛れて片づけられたことになる。

大長谷命が混乱を鎮めて、即位して雄略天皇となる。

なお、日本書紀の記述に基づき、ジヲウ古墳(奈良県・吉野郡)が「坂合黒彦皇子墓」として治定され、マヨワ、ツブラオホミとともに葬られている可能性がある。

【主な登場場面】
病弱な允恭天皇が半島最先端の薬で回復 日本古代史最大の悲哀劇の伏線とは?
佞臣の讒言を信じて忠臣を殺した安康天皇は、連れ子に仇討されて果てる

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