速総別命(はやぶさわけのみこと)

『古事記』に記載のある男性皇族。

父は第15代応神天皇、母はその妃の一人であるイトイヒメ

第16代仁徳天皇が、異母妹のメドリに惚れて、召し上げたい(まあ、合体したい、ということ)と考え、仁徳天皇にとっての異母弟で、メドリに対しても異母兄にあたるハヤブサに仲介を頼む。

メドリのところに行ったところ、メドリからは「姉のヤタノも、嫁のイワノが怖くて可愛がれない男(ヤタノに惚れているが、嫁が怖くて手が十分に出せない恐妻家の仁徳天皇)のものなどになれるかっ! あんたのオンナになるっ!」と言われ、メドリとデキてしまう。

仲介を頼まれたのに、メドリとデキてしまったので、仁徳天皇に報告できず。

そんな折、仁徳天皇自身がメドリと邂逅、仁徳天皇はKY的にメドリに求愛するが、メドリにとってはウザいだけ。すげなく、振る。微妙に、もうハヤブサとデキている、ということも含めて、歌に込めて。

さて、メドリと合体していた寝床で、メドリから仁徳天皇の殺害を頼まれる歌を送られる。

その歌の内容が仁徳天皇にも伝わり、ハヤブサとメドリは反逆の罪で追われる身に。ここから二人の愛の逃避行が始まる。

二人は手に手を取って逃げ、倉椅山(くらはしやま)に上った時、ハヤブサはメドリとの逃避行を歌う歌二首を残し、二人の愛の深さを確認する。

最期は二人とも仁徳天皇が派遣した山部大楯連を将軍とする討伐軍に殺害される。

【主な登場場面】
応神天皇、都が不穏で棺の中に入って大和に帰国 反乱軍を騙し討ちで討伐
ヨメ恐がりすぎて女に愛想つかれる仁徳天皇 それが反乱の引き金になろうとは…

【収録歌】
ハヤブサ、仁徳天皇への反逆、愛妻メドリとの逃避行で歌った歌
ハヤブサ、仁徳天皇への反逆、愛妻メドリとの最期の前に歌った歌

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【ハヤブサを祀る神社】
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【関連キャラ】
ハヤブサ - 天皇が見初めた姫とデキて反逆する皇子