白猪(いぶきやまのおっことぬし)

『古事記』に記載のある雄の動物神。

第12代景行天皇の皇子であるヤマトタケルを死に追いやった、伊吹山のイノシシな神。

おっことぬしという名が『古事記』に出てくるわけではない。

尾張の新妻ミヤズヒメと、生理中にもかかわらず無事に初夜を過ごしたヤマトタケルは、慢心したか、ミヤズのところに草薙の剣を置いて、伊吹山の神退治に出かける。

途中、白い大きなイノシシに遭遇、「オマエは神の使いか何かだろう、帰りにでも片づけてやる」と大口をたたいたが、実はそれが伊吹山の神だった、というオチ。

その神罰に遭ったヤマトタケルは瀕死の重傷を負い、三重方向に逃走。有名な「大和は、まほろば」のほか、「ミヤズのところに置いてきた愛しの剣・草薙の剣よ~」などの歌を数首残しつつ、能煩野(現 三重県亀山市)にて逝去。

『古事記』において、おっことぬし風のイノシシな神が三度登場するが、これはその初め。その後の二度は、応神天皇(神功皇后)の御世と、雄略天皇の御世

【主な登場場面】
舐めてかかった伊吹山の神退治 - ヤマトタケル不覚、瀕死の重傷を負う

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【関連キャラ】
おっことぬし - 『古事記』に時々登場するイノシシな神