弟橘比売命(おとたちばなひめのみこと)
『古事記』に記載のある女性。
第12代景行天皇の皇子であるヤマトタケルの妻の一人。
西国遠征(熊襲建、出雲建の討伐)を成功させて都に戻ってきたヤマトタケルは、すぐさま父である景行天皇に東国遠征を命じられる。この東国遠征に、オトタチバナも同行。
途中、尾張では新たな妻となるミヤズヒメを得たヤマトタケルだったが(同行していたオトタチバナの心中は?)、相模の国では、相模国造の罠によって、オトタチバナを含む一行もろとも火攻めに遭う。
この危難の中、ヤマトタケルはオトタチバナの名を呼び、その身を心配して、オトタチバナを感激させた。
この危難は、伊勢にいる叔母ヤマトヒメから授けられたフシギ袋と草薙の剣で乗り切るが、次いで立ちはだかったのが海の神。どうしてもその海が渡れない。
これに対してオトタチバナは志願して、犠牲になる。オトタチバナはヤマトタケルの自身に対する愛に感謝しつつ、海の藻屑と消えるが、そのために、ヤマトタケル一行は渡海に成功。
それから一週間後に、岸辺にオトタチバナの櫛が漂着。これを厚く祀る。それが今の吾妻神社(神奈川県・二宮町)。
ヤマトタケルは「ああ、妻よ」と、オトタチバナの死を悼む。これが「あづま」の語源。
ヤマトタケルとの間に、ワカタケルをもうける。
【主な登場場面】
・父に疎まれるヤマトタケルが東国へ 相模で危機一髪 叔母ちゃんに助けられる
・ヤマトタケル、妻の一人を泣く泣く犠牲に「ああ、わが妻よ」⇒あずま=関東
【収録歌】
・オトタチバナ、ヤマトタケルへの愛に殉じ犠牲になる辞世の歌
【関連記事】
・ご利益ごとに見る日本の神々 - 健康長寿、金運、開運、出世、交渉、良縁・縁結びなど
・蘇我比咩神社 - 「我、蘇(よみがえ)り」と蘇我伝承、春日大明神と呼ばれた式内
・亀戸浅間神社 - 弟橘媛の笄が漂着した地に奉斎、戦国期に富士信仰、笄塚と富士塚
【オトタチバナを祀る神社】
・焼津神社 - 日本武尊の功徳を敬って創建された式内の古社、「東海一の荒祭」で知られる
・橘樹神社(茂原市) - 弟橘比売命御陵が残る、日本武尊のお手植え橘が御神木の古社
・熊野神社(安中市) - 熊野皇大神社、往古から長野と群馬の県境、日本武尊と八咫烏の伝承
・妻恋神社 - 江戸期以来の由緒物「夢枕」の伝統「吉夢」が頒布される、往時は妻恋稲荷
・白鳥神社(東かがわ市) - 日本武尊が飛来した地、松原や「日本一低い山」、虎頭の舞
・忍山神社 - 三重県亀山市、サルタヒコ祀る元伊勢「奈其波志忍山宮」の伝承地
・吾嬬神社 - ヤマトタケルとオトタチバナの物語が今に残る、海上守護・墨田の「吾嬬の森」
・山梨岡神社(笛吹市) - 御室山を神体山とする郡名や県名の発祥地、摂社に吾妻屋宮
・大鳥神社(目黒区) - 区内最古の創建1200年、11月の酉の市で知られる江戸九社の一つ
・熱田神社(台東区) - 全長368.5センチの大太刀「陰陽丸」、『江戸名所図会』記載社
・能褒野神社 - ヤマトタケル墓に比定された古墳付近に明治期に創建、式内二社を合祀
・久佐奈岐神社 - 日本武尊が東征の際に設けた本宮跡に、随伴9万8000人を奉斎したことも
・寒田神社 - ヤマトタケルが命名した酒匂川近く、米宇宙飛行士も祈願、9月に神輿の禊
・稲荷神社(大間町) - 本州最北端、東北唯一の媽祖を祀る社、7月に天妃祭、8月に山車
・走水神社(横須賀市) - 三浦半島の東端、日本武尊が海を渡った地に奉斎、弟橘媛を合祀
・吾妻神社(二宮町) - 日本武尊のために海中に身を投げた妻の弟橘樹媛の櫛が届いた地
・高森神社 - 大和国葛城ゆかりの人々が往古に伊勢原に移住して祖神を奉斎、相模式内論社
・落幡神社 - 神奈川鶴巻温泉に鎮座、鶴巻の旧地名「落幡」を冠し、「落幡」の伝承が残る
・橘樹神社(川崎市) - 弟橘媛の陵「富士見台古墳」、周辺に縄文遺跡や歴史ある寺院
・船玉神社(藤沢市) - 鎌倉3代将軍源実朝の渡宋の夢が破綻した地に乗船成就の神を奉斎
・大麻神社(善通寺市) - 忌部の社、古代から連なる宮司家、飛鳥朝奉斎の神像が重文
・吾妻神社(木更津市) - 弟橘姫の御袖が到着、翌日には遺骸も漂着、ゆかりの「鏡ヶ池」
・久保島大神社 - 式内論社の無格社山神社が、村社などを合祀して改称した久保島鎮守
・杉山神社(横浜市都筑区中川) - 市街地整備で遷座繰り返した式内論社
・宿院頓宮 - まさに摂津・和泉の「堺」、両国一宮の御旅所、式内社を祀る
・寄木神社(品川区) - 日本武尊・弟橘姫の船の木片が漂着、漆喰鏝絵とかっぱ狛犬
・神鳥前川神社 - 平安末期に領主が夢のお告げで日本武尊と妃を奉斎、複数の御神木
・平尾杉山神社 - 鶴見川流域の最上流地域、戦国期の懸仏、例祭は9月下旬
・吾妻神社(御殿場市) - 家康の御殿跡、地名起源、三役制度の大祭、蹴鞠、11月に熊手
・吾妻神社(富津市) - 弟橘姫の櫛が漂着、馬の背に載せ山で奉斎、9月に馬だし祭り
・入海神社 - 弟橘姫の遺品漂着、10月におまんと、2月と9月に餅投げ、入海貝塚
・大御食神社 - 日本武尊と御蔭杉、妃にちなんだ美女ヶ森、9月に大規模な獅子練り
・吾妻社(長柄) - 沼間から長柄、一色に向かう日本武尊が行先を定めた地
・吾妻社(横須賀市) - もとは箱崎半島の吾妻山「吾妻権現」、松が船舶の目印
・吾妻神社(小田原市) - 弟橘姫が生まれ育った地? 弟橘姫の袖を二宮町と分葬とも
・吾妻神社(厚木市) - 江戸中期には幼児の「ムシ封じ」の神として遠近から崇敬
・吾妻神社(中之条町) - 和利宮、吾妻七社明神の一つ、拝殿彫刻や献額・絵馬・算額
・諸口神社 - 「もろき姫の明神」國玉命神社、御浜岬の海上安全・大漁満足の守護神
・奥石神社 - 名高き老蘇の森、安産の神、桃山期の貴重な銘文ある棟札、重文本殿
【主な御神徳(ご利益)】
水難除け、出世開運、縁結び、夫婦和合
【関連キャラ】
・オトタチバナ - 東国のヤマトタケルの妻といえばこの人
『古事記』に記載のある女性。
第12代景行天皇の皇子であるヤマトタケルの妻の一人。
西国遠征(熊襲建、出雲建の討伐)を成功させて都に戻ってきたヤマトタケルは、すぐさま父である景行天皇に東国遠征を命じられる。この東国遠征に、オトタチバナも同行。
途中、尾張では新たな妻となるミヤズヒメを得たヤマトタケルだったが(同行していたオトタチバナの心中は?)、相模の国では、相模国造の罠によって、オトタチバナを含む一行もろとも火攻めに遭う。
この危難の中、ヤマトタケルはオトタチバナの名を呼び、その身を心配して、オトタチバナを感激させた。
この危難は、伊勢にいる叔母ヤマトヒメから授けられたフシギ袋と草薙の剣で乗り切るが、次いで立ちはだかったのが海の神。どうしてもその海が渡れない。
これに対してオトタチバナは志願して、犠牲になる。オトタチバナはヤマトタケルの自身に対する愛に感謝しつつ、海の藻屑と消えるが、そのために、ヤマトタケル一行は渡海に成功。
それから一週間後に、岸辺にオトタチバナの櫛が漂着。これを厚く祀る。それが今の吾妻神社(神奈川県・二宮町)。
ヤマトタケルは「ああ、妻よ」と、オトタチバナの死を悼む。これが「あづま」の語源。
ヤマトタケルとの間に、ワカタケルをもうける。
【主な登場場面】
・父に疎まれるヤマトタケルが東国へ 相模で危機一髪 叔母ちゃんに助けられる
・ヤマトタケル、妻の一人を泣く泣く犠牲に「ああ、わが妻よ」⇒あずま=関東
【収録歌】
・オトタチバナ、ヤマトタケルへの愛に殉じ犠牲になる辞世の歌
【関連記事】
・ご利益ごとに見る日本の神々 - 健康長寿、金運、開運、出世、交渉、良縁・縁結びなど
・蘇我比咩神社 - 「我、蘇(よみがえ)り」と蘇我伝承、春日大明神と呼ばれた式内
・亀戸浅間神社 - 弟橘媛の笄が漂着した地に奉斎、戦国期に富士信仰、笄塚と富士塚
【オトタチバナを祀る神社】
・焼津神社 - 日本武尊の功徳を敬って創建された式内の古社、「東海一の荒祭」で知られる
・橘樹神社(茂原市) - 弟橘比売命御陵が残る、日本武尊のお手植え橘が御神木の古社
・熊野神社(安中市) - 熊野皇大神社、往古から長野と群馬の県境、日本武尊と八咫烏の伝承
・妻恋神社 - 江戸期以来の由緒物「夢枕」の伝統「吉夢」が頒布される、往時は妻恋稲荷
・白鳥神社(東かがわ市) - 日本武尊が飛来した地、松原や「日本一低い山」、虎頭の舞
・忍山神社 - 三重県亀山市、サルタヒコ祀る元伊勢「奈其波志忍山宮」の伝承地
・吾嬬神社 - ヤマトタケルとオトタチバナの物語が今に残る、海上守護・墨田の「吾嬬の森」
・山梨岡神社(笛吹市) - 御室山を神体山とする郡名や県名の発祥地、摂社に吾妻屋宮
・大鳥神社(目黒区) - 区内最古の創建1200年、11月の酉の市で知られる江戸九社の一つ
・熱田神社(台東区) - 全長368.5センチの大太刀「陰陽丸」、『江戸名所図会』記載社
・能褒野神社 - ヤマトタケル墓に比定された古墳付近に明治期に創建、式内二社を合祀
・久佐奈岐神社 - 日本武尊が東征の際に設けた本宮跡に、随伴9万8000人を奉斎したことも
・寒田神社 - ヤマトタケルが命名した酒匂川近く、米宇宙飛行士も祈願、9月に神輿の禊
・稲荷神社(大間町) - 本州最北端、東北唯一の媽祖を祀る社、7月に天妃祭、8月に山車
・走水神社(横須賀市) - 三浦半島の東端、日本武尊が海を渡った地に奉斎、弟橘媛を合祀
・吾妻神社(二宮町) - 日本武尊のために海中に身を投げた妻の弟橘樹媛の櫛が届いた地
・高森神社 - 大和国葛城ゆかりの人々が往古に伊勢原に移住して祖神を奉斎、相模式内論社
・落幡神社 - 神奈川鶴巻温泉に鎮座、鶴巻の旧地名「落幡」を冠し、「落幡」の伝承が残る
・橘樹神社(川崎市) - 弟橘媛の陵「富士見台古墳」、周辺に縄文遺跡や歴史ある寺院
・船玉神社(藤沢市) - 鎌倉3代将軍源実朝の渡宋の夢が破綻した地に乗船成就の神を奉斎
・大麻神社(善通寺市) - 忌部の社、古代から連なる宮司家、飛鳥朝奉斎の神像が重文
・吾妻神社(木更津市) - 弟橘姫の御袖が到着、翌日には遺骸も漂着、ゆかりの「鏡ヶ池」
・久保島大神社 - 式内論社の無格社山神社が、村社などを合祀して改称した久保島鎮守
・杉山神社(横浜市都筑区中川) - 市街地整備で遷座繰り返した式内論社
・宿院頓宮 - まさに摂津・和泉の「堺」、両国一宮の御旅所、式内社を祀る
・寄木神社(品川区) - 日本武尊・弟橘姫の船の木片が漂着、漆喰鏝絵とかっぱ狛犬
・神鳥前川神社 - 平安末期に領主が夢のお告げで日本武尊と妃を奉斎、複数の御神木
・平尾杉山神社 - 鶴見川流域の最上流地域、戦国期の懸仏、例祭は9月下旬
・吾妻神社(御殿場市) - 家康の御殿跡、地名起源、三役制度の大祭、蹴鞠、11月に熊手
・吾妻神社(富津市) - 弟橘姫の櫛が漂着、馬の背に載せ山で奉斎、9月に馬だし祭り
・入海神社 - 弟橘姫の遺品漂着、10月におまんと、2月と9月に餅投げ、入海貝塚
・大御食神社 - 日本武尊と御蔭杉、妃にちなんだ美女ヶ森、9月に大規模な獅子練り
・吾妻社(長柄) - 沼間から長柄、一色に向かう日本武尊が行先を定めた地
・吾妻社(横須賀市) - もとは箱崎半島の吾妻山「吾妻権現」、松が船舶の目印
・吾妻神社(小田原市) - 弟橘姫が生まれ育った地? 弟橘姫の袖を二宮町と分葬とも
・吾妻神社(厚木市) - 江戸中期には幼児の「ムシ封じ」の神として遠近から崇敬
・吾妻神社(中之条町) - 和利宮、吾妻七社明神の一つ、拝殿彫刻や献額・絵馬・算額
・諸口神社 - 「もろき姫の明神」國玉命神社、御浜岬の海上安全・大漁満足の守護神
・奥石神社 - 名高き老蘇の森、安産の神、桃山期の貴重な銘文ある棟札、重文本殿
【主な御神徳(ご利益)】
水難除け、出世開運、縁結び、夫婦和合
【関連キャラ】
・オトタチバナ - 東国のヤマトタケルの妻といえばこの人
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