山辺之大鶙(やまべのおおたか)

『古事記』に記載のある男性。

第11代垂仁天皇頃の人。

垂仁天皇の皇子であるホムチワケが成長してもしゃべらなかった時、空を白鳥が鳴き飛んで行ったのを聞いた時、初めて「あっ」と声を出したので、この鳥の捕獲を命じられた。

その鳥を追って、紀伊国、播磨国、因幡国、丹波国、但馬国へ行き、今度は東に移って、近江国、美濃国、尾張国、信濃国と移動して、ようやく越国でその白鳥を捕えた。

この鳥を都に持ち帰り、ホムチワケに見せたものの、ホムチワケは無反応。次の展開に移るが、オオタカの出番はここまで。

越の国で白鳥を捕まえようと罠を張ったので、その場所を和那美之水門(和那美の水門、わなみのみなと)と呼ぶようになった、という。今の新潟県魚沼地方にいくつかその場所とされるところが存在する。

天湯河桁命、天湯河板拳命、天湯川田神などとも表記される。

【主な登場場面】
しゃべらない皇子に何とか口を開かせようと四苦八苦の垂仁天皇 イミフの出雲説話

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【オオタカを祀る神社】
川田神社(甲賀市水口町) - 天湯川桁命=オオタカを主祭神とする元伊勢候補の一つ
中嶋神社(豊岡市) - 「菓祖・菓子の神」田道間守命を奉斎、室町中期の本殿、4月に菓子祭
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