本牟智和気(ほむちわけ)

『古事記』に記載のある男性皇族。

第11代垂仁天皇と、その皇后だったサオビメの子。

ただし、垂仁天皇がNTRされたサオビメの兄であるサオビコと、サオビメとの子の可能性もある。実の兄妹同士の近親相姦。

サオビコがサオビメを籠絡し、垂仁天皇を暗殺させようとしたが、それは失敗。激怒した垂仁天皇は兵を発して、サオビコを攻めたてる。兄を見捨てられないサオビメは皇后にもかかわらず、天皇を見捨てて、兄の元に身を寄せる。

兄の元でサオビメは出産。生まれた子がホムチワケ。

サオビメは「あなた様の子だと思うなら、この子をお育てください」と籠城先から、包囲軍にいる夫、垂仁天皇に呼びかけ、垂仁天皇もこの子を引き取る。

サオビコを滅ぼし(サオビメも運命を共にする)た後、垂仁天皇はホムチワケの養育に力を入れる。尾張国(現 愛知県)の相津に二股の杉というのがあったので、その木を切って二股の小舟を作り、それを都に持ってきて、大和の池に浮かべ、御子を遊ばせたりしている。

しかし、ホムチワケ、成長しても何もしゃべろうとしない。ある時、白鳥が鳴きながら飛んでいるのを見て奇声を上げた。そのため、垂仁天皇は山辺のオオタカを遣わし、その白鳥を捕獲するものの、都に持ち帰った白鳥を見ても、ホムチワケ、無反応。

占ってみると、ホムチワケがしゃべらないのは出雲の大神(=オオクニヌシ)の祟りと判明。アケタツウナガミを補佐として、ホムチワケ、自ら出雲に向かう。

ホムチワケ一行が出雲の大神を祀り終わって帰る途中、肥河(ひのかわ 斐伊川(ひいがわ))まできた時、出雲の臣の祖であるキヒサツミが、川下に青葉を山にした飾り物をつくり食事を献上した。その青葉の山をみてホムチワケは初めて言葉を発する。

「川下の青葉の山は、山のように見えて山ではない。オオクニヌシ(=出雲の大神)の祭場ではないか?」

一行は大喜びで、ホムチワケを檳榔(あじまさ)の長穗(ながほ)の宮にお連れし、ソッコー都の垂仁天皇に報告。天皇も喜び、都に戻ってきたウナガミを再度出雲に派遣して、大社の修復を行う。

出雲において、一夜限りの妻ヒナガヒメを得る。しかし、エッチの最中、その女を見てみると、正体はヘビだった。恐くなったので逃走したが、怒ったヒナガヒメが追いかけてくる。海を照らして船で潰えきしてくるヒナガヒメを何とか振り切って、都に駆け込む。

なお、垂仁天皇はホムチワケのために鳥取部、鳥甘(とりかい)、品遅部(ほむじべ)、大湯坐(おおゆえ)、若湯坐を定めた。

【主な登場場面】
義兄に皇后を寝取られた垂仁天皇、反逆され討伐するも子どもは「育てます!」
しゃべらない皇子に何とか口を開かせようと四苦八苦の垂仁天皇 イミフの出雲説話

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