意富多多泥古(おおたたねこ)

『古事記』に記載のある男性。

神(みわ)の君・鴨の君の祖。

オオモノヌシの子孫。

第10代崇神天皇の頃、疫病が流行って、全人口全滅の危機に直面した崇神天皇の夢にオオモノヌシが現れて、「わが子孫オオタタネコを探し出し、三輪山で祀らせろ」とのお告げがあり、崇神天皇が全国必死こいて探させ、河内国(こうちこく)の美努(みの)村で発見。

崇神天皇に系譜を問われた際、「オオモノヌシがイクタマと結婚してクシミカタをもうけ、クシミカタの子がイイカタスミで、イイカタスミの子がタケミカヅチノミコトで、その子が私」と答えている。

崇神天皇はそれを聞いて、三輪山でオオタタネコにオオモノヌシを祀らせた。その他の祭事も行い、祟りによる疫病は終息、天下は泰平となったという。

【主な登場場面】
オオモノヌシに祟られて急いで慰霊する崇神天皇 そもそもオオモノヌシって…
またまた美女に狙いをつけるオオモノヌシ 見事寝とって孕ませて

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