真砥野比売命(まとのひめのみこと)

『古事記』に記載のある女性皇族。

父は第9代開化天皇の皇子ヒコイマスの子であるヒコタタスミチノウシ、母はタンバノカワカミノマスノイラツメ。第二子。

同母姉にヒバスヒメ、同母弟妹にオトヒメミカドワケがいる。

第11代垂仁天皇が皇后を求めた時、姉のヒバスヒメ、妹のオトヒメらと一緒に嫁ぐ。ヒバスヒメが皇后になり、オトヒメは妃の一人になるが、マトノヒメと、もう一人の姉妹とも考えられるウタゴリヒメはブサイクとして実家に帰される。

マトノヒメは実家に戻る最中、姉妹と容姿を比べられ退けられたとして傷心、自殺を図るが、幸か不幸か未遂に終わる。しかし、その後の実家への道中で事故死。その伝承地が、羽束師坐高御産日神社(京都府・京都市)周辺とされる。

なお、垂仁天皇の皇后選びの際の表記では、ヒバスヒメ、オトヒメ、ウタゴリヒメ、マトノヒメであり、見ようによっては一番下の妹に見ることもできる。このうち上位二人を垂仁天皇は留め置き、下位二人を実家に戻している。

そうであれば、この序列は年齢順ではなく、容姿の序列だったのかもしれない。そうするとオトヒメが妹という先の表記とも矛盾せず、同じくブサイクと言われて実家に帰されたウタゴリヒメの説話が残されていないのは、最下位ではなかったため、とも考えられる。

【主な登場場面】
実子に後妻寝取られ反逆される故・神武天皇 直系が奮起して乱を平定
4人姉妹まとめて嫁取りの垂仁天皇「ブサイク2人、実家に帰って」で傷つく女心

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