大吉備津日子命(おおきびつひこのみこと)

比古伊佐勢理毘古命(ひこいさせりびこのみこと)のまたの名。

『古事記』に記載のある男性皇族。一般には、吉備津彦命とも。

父は第7代孝霊天皇、母はその妃であるオオヤマトクニアレヒメ

同母姉弟にヤマトトモモソヒメヒコサシカタワケヤマトトトワカヤヒメがいる。

異母弟であるワカヒコタケキビツヒコとともに、播磨の氷の河の埼に忌瓮(いわいべ)を据すえて神を祀り、播磨から入って吉備の国を平定。

吉備の上の道の臣の祖。

『古事記』には墓の記載はないが、宮内庁により中山茶臼山古墳(岡山県・岡山市)が「大吉備津彦命墓」として治定されている。

温羅(うら)という鬼を討ったという伝承が岡山県を中心として広く知られており、桃太郎のモチーフになったことで有名。

【主な登場場面】
実子に後妻寝取られ反逆される故・神武天皇 直系が奮起して乱を平定

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