【キャラ設定】古事記において時々象徴的に出てくるイノシシの神、ということで、イメージはもちろんすぐにもののけ姫。ただし、ヤマトタケルが伊吹山で遭遇したイノシシの神は白い色だったり、やはり三回登場する全イノシシをすべて共通のイメージにするのは難しいところがあるかもしれませんが、イノシシはイノシシ、ということで。
■おっことぬし
後述するように、古事記で時々登場してくるイノシシの神の総称かつ愛称。古事記でそのような名前が明記されているわけではないし、それぞれに登場してくるのであって、すべてが同一のイノシシではない。
1.ヤマトタケルが伊吹山に行った時に遭遇[本文へ]
ヤマトタケルが妻ミヤズと生理中であったにもかかわらず初夜を無事迎えた翌日、愛剣・草薙の剣をミヤズの家に置きっぱなしで、伊吹山の神退治に出かけます。
そこで真っ白いイノシシに遭遇。ヤマトタケルは「オマエは神ではなくて、神の使いか何かだろう。帰りにでも相手してやんよ」と舐めた口をきいたが最後、このイノシシこそが伊吹山の神そのものであり、その神罰によって、ヤマトタケルは瀕死の重傷を負うことになります。
2.香坂王と忍熊王による応神天皇への反逆の時に出現[本文へ]
三韓征伐を終え、九州で子どもを出産した神功皇后が都に戻ろうとした時、都の香坂王(かごさかのみこ)と忍熊王(おしくまのみこ)が反旗を翻して挙兵。古事記にはそこまで書かれていないが、反逆者にとって、神功皇后一行には、仲哀天皇暗殺の嫌疑、神功皇后が生んだ後の応神天皇が本当に仲哀天皇の子なのかどうか疑わしい、なども、反逆の理由になっているかと。
二人の王は反逆する前に猟をして、占ってみたところ、香坂王がクヌギの木に登ると、怒り狂った大きなイノシシが突然現れ、そのクヌギの根を掘り倒し、あっという間に香坂王を食ってしまいました。
忍熊王はそれを見ても怖気つかず、軍を進めますが、結果として反乱は失敗、琵琶湖に入水することで自害します。
3.雄略天皇が葛城山で襲われる[本文へ]
古代日本のジャイアン、暴虐の君主・雄略天皇が、葛城山で神々に遭遇して、「あんま調子こくなよ」と諭されるような内容を持つ葛城説話において、大きいイノシシが突然現れます。
天皇は鏑矢でそのイノシシを射ようとしましたが、イノシシは怒って大きな口を開けて寄ってきます。恐れた天皇はハンノキに登って必死の形相で逃れようとします。その時の恐怖を歌い込んだ雄略天皇の歌も残されています。
以上のように、時代もケースも全く違うところで、それぞれ別のイノシシが登場して、登場人物たちに危害を加える、警鐘を鳴らすような役目をしている、それが古事記における神としてのイノシシで、それを総称してぶっちゃけ古事記では「おっことぬし」としています。
もちろん出典はもののけ姫。
しかしながら別のイノシシとは言え、イノシシという同一の記号で括られている以上、何らかの共通項はあったと思われます。総じて、古事記の登場人物が調子こいた時にお灸をすえるような目的での出現が多くなっているのが特徴と言えそうです。
【関連キャラ】
・ヤマトタケル - はっちゃけ皇子の英雄譚、最期は?
・雄略天皇 - 古事記後半の主役は、傍若無人な暴君
【関連記事】
・舐めてかかった伊吹山の神退治 - ヤマトタケル不覚、瀕死の重傷を負う
・応神天皇、都が不穏で棺の中に入って大和に帰国 反乱軍を騙し討ちで討伐
・傍若無人の雄略天皇、さすがに神様には逆らえず最敬礼 鷹揚な神様もそれを赦す
【一言切り取り】
・おっことぬし「使いじゃねーよ、神だよっ」
・おっことぬし「おまんら、行かせねーよっ」
・おっことぬし「あんま調子こくでねーどっ」
【古事記の神・人辞典】
・おっことぬし(伊吹山)
・おっことぬし(応神の御世)
・おっことぬし(雄略の御世)
【関連カテゴリ】
・11.ヤマトタケル
・13.応神天皇
・18.雄略天皇
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・ぶっちゃけ古事記のキャラ図鑑の索引

後述するように、古事記で時々登場してくるイノシシの神の総称かつ愛称。古事記でそのような名前が明記されているわけではないし、それぞれに登場してくるのであって、すべてが同一のイノシシではない。
1.ヤマトタケルが伊吹山に行った時に遭遇[本文へ]
ヤマトタケルが妻ミヤズと生理中であったにもかかわらず初夜を無事迎えた翌日、愛剣・草薙の剣をミヤズの家に置きっぱなしで、伊吹山の神退治に出かけます。
そこで真っ白いイノシシに遭遇。ヤマトタケルは「オマエは神ではなくて、神の使いか何かだろう。帰りにでも相手してやんよ」と舐めた口をきいたが最後、このイノシシこそが伊吹山の神そのものであり、その神罰によって、ヤマトタケルは瀕死の重傷を負うことになります。
2.香坂王と忍熊王による応神天皇への反逆の時に出現[本文へ]
三韓征伐を終え、九州で子どもを出産した神功皇后が都に戻ろうとした時、都の香坂王(かごさかのみこ)と忍熊王(おしくまのみこ)が反旗を翻して挙兵。古事記にはそこまで書かれていないが、反逆者にとって、神功皇后一行には、仲哀天皇暗殺の嫌疑、神功皇后が生んだ後の応神天皇が本当に仲哀天皇の子なのかどうか疑わしい、なども、反逆の理由になっているかと。
二人の王は反逆する前に猟をして、占ってみたところ、香坂王がクヌギの木に登ると、怒り狂った大きなイノシシが突然現れ、そのクヌギの根を掘り倒し、あっという間に香坂王を食ってしまいました。
忍熊王はそれを見ても怖気つかず、軍を進めますが、結果として反乱は失敗、琵琶湖に入水することで自害します。
3.雄略天皇が葛城山で襲われる[本文へ]
古代日本のジャイアン、暴虐の君主・雄略天皇が、葛城山で神々に遭遇して、「あんま調子こくなよ」と諭されるような内容を持つ葛城説話において、大きいイノシシが突然現れます。
天皇は鏑矢でそのイノシシを射ようとしましたが、イノシシは怒って大きな口を開けて寄ってきます。恐れた天皇はハンノキに登って必死の形相で逃れようとします。その時の恐怖を歌い込んだ雄略天皇の歌も残されています。
以上のように、時代もケースも全く違うところで、それぞれ別のイノシシが登場して、登場人物たちに危害を加える、警鐘を鳴らすような役目をしている、それが古事記における神としてのイノシシで、それを総称してぶっちゃけ古事記では「おっことぬし」としています。
もちろん出典はもののけ姫。
しかしながら別のイノシシとは言え、イノシシという同一の記号で括られている以上、何らかの共通項はあったと思われます。総じて、古事記の登場人物が調子こいた時にお灸をすえるような目的での出現が多くなっているのが特徴と言えそうです。
【関連キャラ】
・ヤマトタケル - はっちゃけ皇子の英雄譚、最期は?
・雄略天皇 - 古事記後半の主役は、傍若無人な暴君
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【一言切り取り】
・おっことぬし「使いじゃねーよ、神だよっ」
・おっことぬし「おまんら、行かせねーよっ」
・おっことぬし「あんま調子こくでねーどっ」
【古事記の神・人辞典】
・おっことぬし(伊吹山)
・おっことぬし(応神の御世)
・おっことぬし(雄略の御世)
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