建内宿禰大臣(たけのうちのすくねのおおおみ=建内宿禰(タケノウチノスクネ))縦480px
【キャラ設定】皇族とはいえ、皇統からはだいぶ遠い、臣下ともいえる存在ながら、神功皇后、応神、仁徳という古事記中盤の重要な場面に時々登場して、圧倒的な存在感を示すことに鑑み、目力がある、有能かつ頭の切れそうな御仁をイメージ。

建内宿禰大臣(たけのうちのすくねのおおおみ=建内宿禰(タケノウチノスクネ)縦500px■建内宿禰大臣(たけのうちのすくねのおおおみ=建内宿禰)

武内宿禰とも。タケノウチノスクネ。景行成務仲哀応神仁徳天皇の五代の天皇に仕えたとされる伝説的な人物。

古事記では、仲哀(神功皇后)、応神、仁徳などの編に登場し、存在感を発揮する。

古事記の初出は第八代孝元天皇の項。建内宿禰は孝元天皇の孫にあたる。このあたりの天皇に関する記述は極めて簡素だが、その中に、建内宿禰の誕生と、建内宿禰の子らの系譜が掲載されており、その分量は孝元天皇自身のものよりも上回るほど。

象徴的に登場してくるのは、仲哀天皇が筑紫国(現 福岡県)の香椎宮(かしいのみや)で、熊襲征伐に関する神のお告げを聞こうと、その皇后である神功皇后が神懸りし、天皇が琴を弾き、建内宿禰は前の庭で神のお告げをうかがう、という場面。

この神事の最中、仲哀天皇は急死するが、ほぼ密室状態の中に、被害者と、あと二人(神功皇后と建内宿禰)しかいない状態の中で、これはもう天皇暗殺と考えた方が早そう。

動機は、神託で海を渡れと出たのに、仲哀天皇がふてくされたことと。

また、この後神功皇后は、出産を人為的に遅らせる形で三韓征伐に出るが、これはイミフ。お腹の子が公式発表である仲哀天皇の子であれば、そもそも出産を遅らせる必要性は薄く、実は建内宿禰との不倫の子で、仲哀天皇が、もしかすると薄々ながら二人の仲を疑い、それが態度に出たことが、暗殺につながった可能性もある。

三韓征伐を終え帰国後、神功皇后は出産。この御子が後の応神天皇であるが、この父が建内宿禰だとすれば、息子の応神天皇、孫の仁徳天皇と、その時々の建内宿禰の影響力の大きさも理解できる。

・応神天皇が都に戻り、反乱を鎮圧した時、神と名前の交換をしたり、神功皇后に出迎えられた時、応神天皇が幼少だったためか、すべての言動を建内宿禰が代行している。

・応神天皇が見つけてきた美女カミナガヒメを大雀命(後の仁徳天皇)が一目惚れした時、大雀命は建内宿禰に応神天皇への仲介を依頼している。

・応神天皇期の半島との交流で、百済池などを造成。

・仁徳天皇の皇后イワノヒメは、建内宿禰の孫娘に当たる。

・仁徳天皇の雁の卵に関する逸話でも、建内宿禰は重要な役割を演じている。

以上、古事記に描かれているだけでも建内宿禰はこの時期、別格中の別格の扱いを受けていることが分かる。それは神功皇后との不倫、不倫の子の誕生(応神天皇)に根付いたもの、かもしれない。

そもそも応神天皇と神功皇后が九州から都に戻ろうとしたときに、仲哀天皇の皇子らが突如反逆するような形になっているのも、神功皇后の不倫、応神の父は誰か、仲哀ではないのではないか、という暗黙の疑問があったため、とも考えられる。

そんな謎の超人、それが建内宿禰。

【関連キャラ】
神功皇后 - 三韓征伐の英雄は息子を溺愛する魔性の女?
応神天皇 - 自身の登場シーンがあまり多くない天皇
仁徳天皇 - 古事記中盤の主役はやはり女好きの御仁
イワノ - 古代日本最強の姫は、史上初のツンデレ?
カミナガ - 応神がしぶしぶ仁徳に譲り渡した美女

【一言切り取り】
建内宿禰「やっべ、逆鱗触れた…」
建内宿禰「計算、どっするのかな?」
建内宿禰「そこまで、ツンデレ?」
建内宿禰「このお酒、美味しゅうござる」
建内宿禰「よくぞ聞いてくれやしたっ」

【収録歌】
建内宿禰、応神天皇に代わって神功皇后に応えた歌
建内宿禰、仁徳天皇からの雁の卵に関する問いかけに答えた歌
建内宿禰、雁の卵に関しての仁徳天皇への寿ぎの歌

【古事記の神・人辞典】
建内宿禰 - 陵墓情報も。有力視されているのは全国第18位の大きさの古墳(古墳ランキング

【関連カテゴリ】
12.神功皇后

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